NATOならぬ「MATO」 松屋でリトアニア、ジョージア大使が合同食事演習
牛丼チェーン大手、松屋が外交の舞台としてにわかに注目を集めている。22日に販売が開始されたのは「リトアニア風ホワイトソースハンバーグ」。同国駐日大使が一日店長を務め、近隣国の大使も駆けつけて「会談」した。火付け役となったジョージア大使はNATO(北大西洋条約機構)をもじり、「MATO」(松屋外交条約機構)なる造語を使用。日本でなじみの薄い自国の宣伝で観光や投資を促すとともに、外交方針への理解を深めてもらう「深謀遠慮」もありそうだ。 ■スタートはシュクメルリ 22日、東京都港区にある松屋「六本木4丁目店」で店長を務めたのはオーレリウス・ジーカス駐日リトアニア大使だ。紺のエプロンと「一日店長」のたすきをかけ、キノコとベーコンがふんだんに使われた自国のハンバーグ料理をふるまった。3月から松屋と駐日リトアニア大使館が試食など試行錯誤を続けて完成させた期間限定メニューだ。 同店に足を運んだのはティムラズ・レジャバ駐日ジョージア大使だ。ジーカス氏はX(旧ツイッター)に「MATOサミットも開催できました。ジョージア大使と一緒に料理の話だけではなくて、平和の話もしました」と投稿した。松屋によると、MATOという造語を用い始めたのはレジャバ氏だという。 松屋は先の東京五輪・パラリンピックを契機に「世界のおいしい料理を楽しんでもらおう」と各国の名物料理を提供する企画を開始した。2019年12月にテスト販売したのがジョージアの「シュクメルリ」。この鶏肉をニンニクが効いたホワイトソースで煮込んだ逸品が松屋を舞台にした「外交」の始まりになった。 このメニューは期間限定ながら、復刻メニューを決める総選挙で2度も1位に輝き、限定復活を果たすなど根強い人気を誇る。「ごはんに合う」という松屋のメニューの前提条件を満たしただけでなく、レジャバ氏が宣伝し「大使館のお墨付き」を与えたという話題性もあった。リトアニアもレジャバ氏がポーランドにちなんだメニューの販売開始時に、関連するXの投稿を見て「うちの国の料理もやってほしい」と持ちかけたという。 ■いい湯と納豆 ジョージアの目標もPR