MotoGPマシンに急接近!その差は約4秒!【2025ドゥカティ パニガーレV4S 海外試乗インプレ】
文/Webikeプラス 小川 勤 【画像】ドゥカティ パニガーレV4Sをギャラリーで見る(35枚)
第7世代のスーパーバイクは、MotoGPマシンに急接近!
『NEW OPERA』というキャッチコピーとともに2018年に登場したパニガーレV4。それまでドゥカティのスーパーバイクはすべてLツインエンジンを搭載していたが、このモデルからV4エンジンを搭載。 MotoGPマシンの開発を手がけるドゥカティコルセが開発に参画し、MotoGPの技術を惜しみなく投入。そこからの躍進はご存じの通り。翌年にはRモデルが登場し、WSBK(スーパーバイク世界選手権)で勝利し、タイトルも獲得してきた。 そんなパニガーレV4が2025年モデルとしてフルモデルチェンジ。851から始まったスーパーバイクの第7世代(7G)として生まれ変わった。発表は今年の7月26日から開催されたWDW(ワールド・ドゥカティ・ウィーク)に合わせてミザノサーキットで行われた。さらにWDWのレース・オブ・チャンピオンズというレースでは、フランチェスコ・バニャイヤやマルク・マルケスなどのドゥカティライダー11名が最新マシンを駆り、そのポテンシャルを証明した。
NEWパニガーレV4Sは本当に速い!信じられないほど速い!
7月に開催されたWDWでパニガーレV4Sを駆るバニャイヤのタイムは驚異的だった。以下にミザノサーキットでのさまざまなタイムを並べてみた。ここで比較するパニガーレV4Sは、レーシングエキゾーストなどを装着し、228psを発揮するモデルになる。 ・F.バニャイヤ×パニガーレV4S(7G) 1分35秒051 ・F.バニャイヤ×パニガーレV4(6G) 1分35秒886 まずは前モデルとの比較。6Gのタイムは2022年のWDWで開催されたレース・オブ・チャンピオンの時のもの。7Gになり0.835秒も速くなった。 ・F.バニャイヤ×パニガーレV4S(7G) 1分35秒051 ・T.ラズガットリオグル×BMW M1000RR 1分32秒320 2024年のWSBK第4戦のレコードタイムを出した、ラズガットリオグルが駆るM1000RRとは2秒731秒差。ちなみにレース1を完走したバイクの最後尾のベストタイムは1分36秒385のため、そのバイクよりパニガーレV4Sの方が遥かに速い。 ・F.バニャイヤ×パニガーレV4S(7G) 1分35秒051 ・F.バニャイヤ×デスモセディチGP 1分31秒714 ・M.マルケス×デスモセディチGP 1分31秒564 MotoGP第13戦の決勝タイムを比較。ドゥカティ最速タイムはマルケスで、MotoGPマシンとの差は3.487秒。ちなみにレギュラーライダーで最も遅かった中上貴晶のタイムは1分33秒545。パニガーレV4Sは限りなくMotoGPマシンに近づいたといっていいだろう。 ・F.バニャイヤ×パニガーレV4S(7G) 1分35秒051 ・F.バニャイヤ×デスモセディチGP 1分30秒877 MotoGP第14戦の決勝タイムを比較。デスモセディチGPは2戦連続、さらに秋に近づきコンディションが良くなったことでタイムアップ。それでもパニガーレV4SとデスモセディチGPの差は4.174秒だ。ちなみにパニガーレV4Sのタイムは最もタイムの出にくい真夏に計測されたものだ。 開催時期やコンディションが同一ではないため厳密な比較はできないが、パニガーレV4Sの速さは十分証明できているだろう。