【獣医さんに聞いた】クリスマスディナーを愛犬と楽しむヒント
クリスマスケーキの適量とクリスマスに多い危険事例
岡田先生はクリスマスになると、飼い主さんから、「どれくらいの量までなら、ペット用ケーキを与えられますか?」と聞かれることが増えると言う。しかし、量に関しては、それぞれ商品の内容が異なり、愛犬の体重もそれぞれ違うので、一概に伝えにくいとのこと。 「一つ言えるのは、オーバーすればトラブルが待っています。それを調整できるのは飼い主さんだけなのです。あくまでも参考程度でありますが、カロリーで見たり、脂肪の含有量で見たり、人間用の量と体重から照らし合わせて比率で見たり、一番少ない上限量を採用しておくのが無難です」と教えてくれた。 さらに、病気治療中の愛犬の場合は、いつもと違う食事を与える時には注意が必要だ。何らかの薬を飲んでいるようなら、かかりつけの獣医さんに相談してから与えたほうが安心である。 最後に、クリスマスに実際に動物病院で治療した愛犬の事例では、チキンを骨ごと丸呑みした子や、お肉料理の玉ねぎを食べてしまった事例が多いとか。 焼き鳥などの串ものを丸呑みしたり、ケーキをフォークごと丸呑みしたり、ケーキの装飾品を丸呑みした場合は、手術が必要になることも多い。また、高齢犬が脂肪分の摂取しすぎで翌日に嘔吐下痢をくり返し、膵炎で入院してしまった事例もある。どれも事前に注意すれば防げる事故なので、どうか飼い主さんも気を付けて、楽しく記憶に残るクリスマスにしてもらいたい。 取材協力/岡田響さん(ひびき動物病院院長) 神奈川県横浜市磯子区洋光台6丁目2-17 南洋光ビル1F 電話:045-832-0390 取材・文/柿川鮎子 明治大学政経学部卒、新聞社を経てフリー。東京都動物愛護推進委員、東京都動物園ボランティア、愛玩動物飼養管理士1級。著書に『動物病院119番』(文春新書)、『犬の名医さん100人』(小学館ムック)、『極楽お不妊物語』(河出書房新社)ほか。
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