「せっかくの優秀な人材があんな形で足を引っ張られるなんて…」《選挙の神様》藤川晋之助から見た「齋藤知事と立花孝志」
PR会社社長の承認欲求
本命だった藤川氏の支援を得られなかった齋藤知事が頼ったのが折田氏だった。 「たとえば7月の都知事選において石丸(伸二)さんが躍進したのは我々の戦略が優れていたからではありません。彼を支援するボランティアを募ると3日間で2000人以上が集まり、その中にはネットに興味がある方が100人ほどいた。この方たちが作成した『切り抜き動画』などが素晴らしく、これが大量に拡散された結果、石丸現象と呼ばれるまでになった。フラフラになるまで尽力してくれたボランティアの方がいたからこそ、我々もどうにか選挙を戦えたという構図です。 コンテンツを少し作っただけにもかかわらず、『私が全部やりました』なんて折田さんは承認欲求が強すぎます。もともと盛って話すタイプの女性なのかもしれませんが、『400人分の仕事をした』と記すなんてもってのほかです」 藤川氏が齋藤知事の街頭演説を訪ねると、石丸氏の都知事選を手伝ったボランティアの姿があったという。 「私自身、選挙におけるSNSやネット動画の効果に対する理解が昨年と今年では大きく変わりました。石丸さんの選挙を手伝うまでSNSやネット動画にそこまで力があるとは考えていなかった。私はもともと地道な辻立ちなどを重視しており、SNSが選挙結果に与える影響は全体の1割だと考えてきましたが、いまは3割から5割くらいあると考えています」
立花孝志は天才
公職選挙法違反疑惑をめぐる騒動はどう収束すると見るか。 「当初、摘発もあり得ると思いましたが、兵庫県警は興味がないようです。ただし、検察は動くかもしれません。郷原先生のことはよく存じ上げていますが、無理筋だとわかっていてあえてやっているのではないか。受理はされるかもしれませんが、不起訴に終わると予想しています。 孤立無援の中、齋藤さんは3年間ずっと改革を進めてきました。それが県民に評価をされたからこそ、今回の選挙で知事に返り咲いた。当然、こんなつまらないことで足を引っ張られるべきではない。『それ見たことか。やっぱり悪者だ』と再び騒いだメディアも、ここにきてトーンダウンしています。一日も早く疑惑を晴らして再び県政に邁進してほしいです」 「齋藤劇場」のもう一人の主役は立花孝志氏だ。その過激な言動は賛否両論だが、藤川氏は条件付きで評価する。 「ある種、この時代における天才です。立花さんが『NHKから国民を守る党』を作ったとき、『この男はすごいな』と感心しました。NHKの職員時代、彼は海老沢勝二会長(当時)にかわいがられており、特命を受けて某球団の買収案件を担当したこともあります。これ自体は国営放送が球団を買収してどうするんだという話ですが、彼に特殊な能力があるのは間違いない。 振り返ると、地上波をはじめいわゆるオールドメディアの齋藤さんへの誹謗中傷はいじめに近いものでした。ところが、立花さんが現れ、(パワハラなどの告発文書を作成した)元局長が自殺した原因が愛人問題にあったと明らかにした。地上波しか見ないような人もSNSやネット動画で真実を知ることになり、『齋藤さんがかわいそうだ』と流れが一気に変わりました。立花さんがいなければ、齋藤さんの再選はなかったでしょう。 ただし、立花さんのすべてを評価しているわけではありません。評価しているのは『NHKから国民を守る党』を作ったことと齋藤さんの件だけ。それ以外は何をやっているかよくわかりませんし、彼は話を盛りますからね。本人にも直接そのように伝えました」