「130万円の壁がなくなった」と聞きました。主婦(夫)が「130万円以上」稼ぐ際の注意点を教えてください。
「130万円の壁」がなくなったと聞き、早速2024年からしっかり稼ごうと、働きはじめている方もいるようです。しかし、これまで扶養に入っていた主婦が、突然130万円以上稼ぐようになるとさまざまな問題が生じることがあります。そこで、扶養内の主婦が130万円以上稼ぐ際の注意点を解説します。 ▼扶養内で働いてるけど、労働時間が「週20時間」を越えてしまった!「社会保険」に加入する必要はある?
「130万円の壁」がなくなった理由
これまで「130万円の壁を超えない方がよい」と言われていた理由は、社会保険料の存在です。家族の扶養内で働くのであれば、健康保険も年金も、保険料が発生しませんでした。 しかし、年収が130万円を超えるとそれらが発生し、収入に対する手取りの割合が減るため、働く時間を抑える方がいたのです。これが俗に「130万円の壁」といわれています。 これが今、労働者不足で企業が人材確保に四苦八苦する状況に拍車をかけているとして、その結果2年間の時限措置として、130万円を超えて稼いでも一定の条件を満たした場合は扶養に入っていられるようになりました。これが「130万円の壁がなくなった」といわれるゆえんです。
事業主と保険組合から認められることが必要
まず確認しておかなければならないのは、「130万円の壁を超えても被扶養者のままでいるには、事業主と健康保険組合の両方から認められなければならない」ということです。 事業主は、人手不足を理由とした一時的な収入変動でなければ、健康保険組合に提出するための書類を作成することができません。そうでないのに作成すれば、事業主は虚偽の書類を作成したことになります。 その後はその書類を、加入している保険組合に提出することになるのですが、事業主の証明があっても、最終的に扶養認定が下されるかどうかは、健康保険組合の判断による部分もあります。 例えば、雇用契約の内容から恒常的に年収が130万円を超えると認められたり、収入要件以外の部分も含めて総合的に「収入アップが、人手不足が原因でも一時的でもない」と判断されたりして、扶養に入りつづけられない可能性もあります。