「130万円の壁がなくなった」と聞きました。主婦(夫)が「130万円以上」稼ぐ際の注意点を教えてください。
高い収入に慣れてしまって、働きつづけることになる可能性もある
130万円の壁を超えても入りつづけられるのは、あくまでも社会保険における扶養です。そのため、税金は免除されず、通常どおり発生します。特に住民税は要注意です。住民税の税率はおよそ10%であり、年収200万円と考えると(給与所得控除55万円と基礎控除43万円のみで計算)、年間でもおよそ10万円発生します。 さらに、住民税は本年の収入で計算したものを、翌年から翌々年にかけて支払います。つまり前年にたくさん稼いだ場合、その収入を基準に生じる住民税を払うことになります。2年後は収入を減らして扶養に入りつづけることを選ぶのであれば、手取りは今以上に少なくなるわけです。 加えて、2年間たくさん稼いだ収入額に慣れてしまうと、2年後に扶養内の額に戻すために130万円未満まで収入を落としたとき、生活が維持できない可能性もあります。それによって扶養を外れ、今まで以上に稼がざるを得なくなってしまう可能性もあります。
まとめ
130万円の壁がなくなったといわれますが、実際にはなくなったというわけではなく、事業主と健康保険組合の証明・承認を受けているだけです。また、税金は免除されず、加えて高い収入に慣れると、生活レベルを落とすことができず2年後も働きつづけることになる可能性もあります。 130万円の壁を超えようとしている場合、それらに注意し、2年後も意識した上で働くようにしましょう。 出典 厚生労働省 事業主の証明による被扶養者認定Q&A 厚生労働省 パート・アルバイトで働く「130万円の壁」お困りの皆さまへ 執筆者:柘植輝 行政書士
ファイナンシャルフィールド編集部