毛穴をごっそり大掃除! 累計788万個を売り上げたファンケル「ディープクリア洗顔パウダー」の開発秘話
ここ数年、素肌感のあるメイクがトレンドになっている。それに伴い、素肌をきれい見せたいというニーズが高まってきているという。 このトレンドに着目し、開発されたのが、ファンケルの酵素洗顔料「ディープクリア洗顔パウダー」だ。2019年4月の発売以来、美容誌などで多くの賞を獲得し、累計販売数は788万個を記録。一時は製造が追いつかないほどの人気を博した。 酵素洗顔の優位性や、これまでの洗顔料との違いなどを株式会社ファンケルの林さんに聞いた。
毛穴やざらつきにアプローチ
ー近年、さまざまな分野で酵素が注目されていますが、酵素洗顔とはどのようなものでしょうか? 酵素には「消化酵素」「代謝酵素」「食物酵素」があり、それぞれにさまざまな種類の酵素成分があります。その中で酵素洗顔によく使われているのが、プロテアーゼというタンパク質を分解する消化酵素です。 肌の表面部分の角層は、ケラチンというタンパク質でできた角質が何層にも積み重なって成り立っています。 一方で、毛穴の黒ずみやざらつき、角栓の原因となるのも角質です。特に角栓はその7割を角質が占めています。タンパク質を分解する酵素を配合することで、これらの不要な角質を除去するのが酵素洗顔料になります。
また、頑固な角栓は、角層だけではなく、皮脂が混ざり合ってできています。そのためファンケルでは、角栓の組成を考慮して、吸着泥や炭を配合することによって、角栓の原因となる過剰な皮脂を除去しています。 これらの成分の働きにより「ディープクリア洗顔パウダー」は、自社の洗顔料の中では、毛穴やざらつきを除去することに対しての即効性や効果がもっとも実感しやすく、1度使っただけで、ツルツルとした手触りを感じられる商品になっています。
ー酵素洗顔にはデメリットはないのでしょうか? これまでの酵素洗顔は、毛穴に対して効果的という実感がある一方で「洗顔後に肌がつっぱる」「逆に毛穴が目立つ」という不満も多くありました。 また酵素は水分を与えることで効果が最大限に発揮されるのですが、時間の経過とともに、その効果が薄れていきます。そのため、多くの酵素洗顔料はパウダータイプなのですが、泡立ちが悪いという不満も聞かれました。 ファンケルでは以前からパウダー状の洗顔料を販売していて、リニューアルのたびにうるおい感や泡立ちに対しての研究技術を高めてきました。この技術を応用すれば、これまでの不満も解消できるのではないかというのが「ディープクリア洗顔パウダー」の商品化の原点になります。 そのため、開発では摩擦によって肌に負担をかけない、もっちりとした弾力のあるきめ細かい泡、洗浄力がありながらも、うるおいを残した「うるつる素肌」な洗い上がり、敏感肌でも使える安全性の高い処方であることを重視しました。 たとえ汚れがごっそり落ちたとしても、うるおいまで奪ってしまうと、乾燥からキメが乱れて、毛穴が目立つことになってしまうので、うるおいを守ることは特に大切にしました。