毛穴をごっそり大掃除! 累計788万個を売り上げたファンケル「ディープクリア洗顔パウダー」の開発秘話
肌のうるおいを保つ3つのキー成分
ーそのうるおいを保つために、どのような処方をされたのでしょうか? キーとなる成分は3つあります。 1つ目はアミノ酸系洗浄成分です。肌のうるおい成分にNMFというものがあるのですが、このNMFに約11%含まれているのがPCAという成分です。PCAはうるおい保持に重要な役割を担っていて、肌表面だけでなく、角層の深部にも多く存在します。 一方で、PCAは水で顔を洗うだけでも流れ出してしまうほどセンシティブな成分で、アルカリ性の洗顔料などを使うと、角層の深部からも溶出して、乾燥や肌荒れの原因ともなります。 元々、ファンケルの総合研究所では、このPCAの溶出を正確に評価するための技術を確立していました。この技術を活用した「ディープクリア洗顔パウダー」は、優れた洗浄効果とともに、肌のうるおい保持に欠かせないNMF-PCAをしっかりと残す、独自のアミノ酸系洗浄成分の配合を実現しました。 2つ目は水分保持力が高く、肌のうるおいをキープするヒアルロン酸、そして3つ目に保湿効果が高く、こちらも肌のうるおいをキープする機能がある糖を配合しています。 うるおい成分が多いパウダー状洗顔料は、容器へ詰めるのが難しく、酵素洗顔料の中には、容器に詰めやすいようにパウダーをサラサラにするふけい剤を多く配合しているものもあります。 ファンケルでは、肌にとってベストな処方を重視し、うるおい成分が多くても上手く詰められるように、容器への充填方法を工夫しています。
ー開発で苦労をした点はありますか? 炭を配合しているため、製造する機械が黒く汚れてしまうなど、多くの課題がありましたが、なかでも容器には苦労をしました。 先ほどもお伝えしたように、酵素は水を含むと時間の経過とともに働きが弱まります。水にぬれた手や、浴室の湿気などによる変性を防ぎ、酵素の働きを保つためには個包装が有効なのですが、小さなカプセルに飛び散りやすいパウダー剤を充填する技術を確立するのには苦労しました。 またパウダーが湿気ないように、バリア性の高い素材を採用し、ぬれた手でも開けられるように、開封口をつまみやすい形状にするなど、何気ない容器に見えますがさまざまな工夫が施されています。