日本は「太陽光」「風力」発電が厳しい環境! EVを促進するのに大切な「ゼロエミッション発電」はまだまだ難しい課題だった
カリフォルニアでも電気の供給体制にはまだまだ課題が山積み
日本は国土が狭く、それこそまさに「山を削って」作っても、カリフォルニアのメガソーラーの規模に到底及ばない規模で、しかもしょっちゅう雨が降るのでは発電効率が悪いように見える。 海上に風力発電所を設けたとしても、今度は台風や地震による被害リスクも高い。やはり何か「日本に似合うもの」を探す必要があるように思う。 砂漠で太陽光や風力で積極的な発電が行われていることもあり、ロサンゼルスとラスベガスを結ぶ、インターステート(州間高速道路)15号線の中間地点のバーストゥという街の近くには、広大なテスラのスーパーチャージステーションが設けられている。また、そことは少し距離が離れているものの、砂漠地域でのレジャースポットへの玄関口ともいえる、砂漠のなかにある街では、ガソリンスタンドの裏に充電スタンドができていた。 カリフォルニア州は2035年モデルからICE(内燃機関)車の全面販売禁止を掲げており、そもそも民主党支持者の多いコテコテの「ブルーステート」と呼ばれる地域なので、ゼロエミッションとか環境にいいことへの関心はかなり高かったのだが、州内で賄っている電力のほぼすべてがゼロエミッション発電ということも、BEV(バッテリー電気自動車)を選ぶことに意味を感じる消費者を増やしているのかもしれない。 10年ほど前まで、ロサンゼルス空港近くにありいつも宿泊している地域の電柱の電線からは過送電だとわかる「ジージー」という音がしていたのだが、その後インフラ改善が進んだようで音がしなくなった。しかし、今年は同じ電線から「ジージー」と音がしていた。直接関係はないとは思うが、近くにはBEVの充電ステーションができていた。 何かと叩かれることも多いBEVだが、カリフォルニアではその普及が進んでいる。増え続けるBEVに対応しきれていないとはいわれるが、街なかの充電ステーションは目に見えて増えている。 自然由来の発電でほぼ電力は賄えるようになるかもしれないが、充電設備を含めた供給網整備はまだカリフォルニアでも道半ばといったところで課題として残っているようにも見えた。
小林敦志