髙田氏・小泉氏・合六氏と徹底分析…急展開のウクライナ情勢とトランプ氏当選の影響度
長距離ミサイルと地雷の使用はウクライナを後押しするか
竹俣紅キャスター: 11月17日、バイデン大統領が射程約300kmのアメリカ製の長距離地対地ミサイル「ATACMS」を、ロシア領内への攻撃に使用することを許可したと、米主要メディアが報じた。 合六強 二松学舎大学国際政治経済学部准教授: バイデン政権内では意見が割れていたが、北朝鮮兵の派兵というロシア側の重大なエスカレーションに何もしないわけにはいかない。同じく長射程ミサイルの解禁問題に直面していたイギリスやフランスからの説得もあった。またトランプ就任前に解除しておくのは重要。 髙田克樹 元陸上総隊司令官 元陸将: 245の重要施設が射程に入っている。物を運ぶ上で300kmの距離があると中間貯蔵庫を置かねばならず、その貯蔵庫や兵站拠点を叩けば大きな効果がある。ただATACMSの残りの弾数は50発程度か。数を勘案すれば戦局を大きく変化させはしないだろう。 小泉悠 東京大学先端科学技術研究センター准教授: 弾薬庫などを継続的に叩く意味では50発でもありがたいとは思う。停戦の可能性を考え、それまでにめちゃくちゃな負け方をしないための火力という考え方はある。また、残弾がなくてもまだあると見せるだけでロシア軍は射程内に重要なものを置けなくなり非効率になる。 竹俣紅キャスター: 米オースティン国防長官は、ウクライナへの対人地雷の供与を許可したと明らかにした。爆発のタイミングが制御可能で、電池で稼働し最長2週間で電池切れになるもの。バイデン政権の思惑は。 合六強 二松学舎大学国際政治経済学部准教授: 軍事的には、東部で歩兵での攻勢が増え押されている中で、従来の対戦車地雷だけでなく対人地雷が必要になっていること。政治的にはトランプ政権成立までにできるだけ早く支援すること。 反町理キャスター: この地雷「ADAM」はどのようなものか。 髙田克樹 元陸上総隊司令官 元陸将: 155ミリの榴弾砲の中に36個の地雷が入っており、弾が割れて散布地雷として地表面に落ちる。落ちたらワイヤーが伸び、力がかかると爆発物が跳ね上がり地上1~2メートルの間ぐらいで爆発する。10メートルほどの範囲に数百の破片が飛ぶ。歩兵が森林地帯などに潜伏しながら夜間に侵入してくることは防ぎにくいが、この散布地雷を事前に仕込んでおき一発でも被害が出ると歩兵が入りにくくなる。ウクライナ軍の焦点は今の接触線(戦線)を1月20日のトランプ就任までどう守るか。 小泉悠 東京大学先端科学技術研究センター准教授: 今、ロシア軍は1日に1500人の兵隊が死んでいると言われる。この人命軽視を考えると、ADAMがあるから攻めないとはならないと思う。ただ現実に損害が増えれば可能行動は狭まる。またトランプ就任で停戦の圧力がかかれば、一方的に占領されているのではなくわずかでもウクライナもロシア領を占領しているかどうかが交渉では重要となる。
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