妻から「気持ち悪い。出ていけ」と言われ、実家に逃げ込んだ55歳男性。80代母の“叫び声”で眠れぬ夜を過ごす日々
かつての家族を取り戻すために取った行動は…
現在、娘たちに連絡しても返信はなし。家族の溝は深いままだが、太田さんは、なんとかかつての家族を取り戻そうともがいている。 「先月、YouTubeで弱いメンタルを激変させるというカウンセラーを見つけたんです。数日前に30万円の講習料を振り込みました。お金を稼ぐ、人にモテる、人生を好転させる……そんなメンタルに自分を変えて、また家族と家庭を取り戻したい」 高額セミナーが事態を好転させるきっかけとなるのか……?
そもそもの問題はコミュニケーション不足にあり
不安は募るが、そもそもの問題はコミュニケーション不足にある可能性が。横浜ファミリーカウンセリングオフィスの松本尚子氏が話す。 「月に100組ほどの夫婦のカウンセリングを行っていますが、家族不和の原因の多くがコミュニケーション不足。太田さんはその典型で、奥さんが何を求めているのかわからないまま、ご自身でよかれと思って取った行動が不和を招いている印象です。ご自身を変えたいというお気持ちはわかりますが、まずは奥さんと話し合うべきです。うまく気持ちや意見を伝えられない場合は、カウンセラーなどを交えて話し合うのも一つの手」 太田さんが家族を取り戻すには時間を要しそうだ。
太田家が直面する難題
①性生活・性格の不一致で別居 10年以上のレスに加え、太田さんに対する奥さんの嫌悪感が爆発して、2年前から別居。 ②家庭内での疎外感から鬱気味に 太田さんに対する奥さんの不信感がピークに達し、娘にも波及し孤立。その影響でメンタルを病むことに。 ③80代の実母の介護 要介護1で介護負担はそれほど重くないが、夜勤の仕事をしながら食事の用意などを一人で行う。
松本氏が指摘する家族のメンテナンス法
介護と夫婦仲を切り分けて話し合う 配偶者は結局のところ他人です。相手のことをわかったつもりになることからトラブルになりがち。まず話し合い、お互いに求めていることを確認しましょう。介護の問題は夫婦関係と切り分け、どのような課題があるかを洗い出してから専門家に相談して介護負担を減らす方法を考えるべきです。 【横浜ファミリーカウンセリングオフィス 松本尚子氏】 家庭裁判所の調査官として20年勤務した経験を生かして、夫婦・親子・家族関係のカウンセリングに従事。臨床心理士の資格も有する 取材・文/週刊SPA!編集部 ※10月8日発売の週刊SPA!特集「[無理ゲー家族]と生きる」より ―[[無理ゲー家族]と生きる]―
日刊SPA!