沖縄ヘリパッド移設反対の議員らが会見(全文1)強行的な政府に県民が反対
沖縄県東村への米軍ヘリパッド(離着陸帯)移設工事に反対する沖縄選出の参院議員らが14日午後6時から、東京の外国特派員協会で会見を行った。出席したのは、元宜野湾市長の伊波洋一参院議員(無所属)、糸数慶子参院議員(沖縄社会大衆党)、上村英明教授(恵泉女学園大学)の3氏。 【中継録画】沖縄ヘリパッド移設に反対の伊波洋一、糸数慶子議員らが会見 ヘリパッド移設計画は、同県東村、国頭村にある米軍北部訓練場の一部返還の条件として日米が合意したもので、東村の高江周辺で工事が進められている。13日には、陸上自衛隊のヘリコプター「CH47」を使って工事用の重機の搬入が始まった。 伊波氏と糸数氏は参院で会派「沖縄の風」を結成している。
糸数慶子議員による声明
糸数:皆さま本日はお忙しい中、私たちのこの会見にお越しいただきまして、ありがとうございました。今ご紹介がありましたけれども、私は今度、伊波洋一さんと参議院の会派、沖縄の風を結成して、その代表として今、国政の中で頑張っております、糸数慶子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 今年7月に行われました参議院選挙でお隣、伊波洋一議員が現職の沖縄担当大臣を圧倒的、10万票以上の差で破りまして、米軍基地建設推進派のこの候補者に圧倒的な票差で勝利をいたしました。伊波洋一議員の当選を受けて、先ほども申し上げました会派、沖縄の風を設立し、国会に沖縄県民の思いを届けていきたいと思っております。 さて、日本政府は現在、沖縄県国頭郡東村の高江に米軍のヘリパッドを建設中です。このヘリパッド建設は米軍北部訓練場の部分返還の条件として米軍から要望されているものですが、確かにこの北部訓練場の部分返還が実現をすれば沖縄の米軍基地は17%程度減少いたします。しかしながら沖縄県内の基地返還のために、またしても沖縄県内に新たな米軍の施設を造るということは矛盾しています。そしてその施設が沖縄県民がまさに島ぐるみで反対をいたしました、オスプレイのヘリパッドであるということ、またこのヘリパッドは周辺の住宅からわずか400メートル程度しか離れておらず、すでに地域住民の生活を脅かしていることからも、決して容認できるものではないということを訴えたくて本日この場に、皆さまに対してアピールをしたいということになりました。 米軍の北部訓練場のこのヘリパッド建設は、日本政府が米軍のために建設をしているものでありまして、実はこれは2007年以来、9年にわたって地域住民の座り込みの反対運動が展開をされてまいりました。しかし今年7月の22日、先ほども申し上げましたが、参議院議員選挙で当選をした、伊波洋一議員のこの勝利を収めた直後を狙って、日本政府は座り込みの拠点であるテントを強制撤去をするという暴挙に出ました。さらには沖縄県外から数百名の機動隊を動員して、非暴力、無抵抗の市民を暴力的に排除しています。 そういう状況の中ですでにけが人が何人も出ておりまして、特に87歳になる女性が手を、指を5針を縫うというような大けがをして、そういう被害にも遭っているのが現状です。また新聞記者の取材妨害も行われて、報道の自由の侵害が行われています。またあしたから日本政府はヘリパッド建設のために陸上自衛隊のヘリを投入し、大型重機を搬入し始めました。きのうから搬入を始めました。米軍基地建設に自衛隊機が出動したことはかつてありません。非常に不快であり、県民の反発というのはとっても大きなものがあります。 ここで沖縄の歴史を詳しく説明する時間がないので残念ですが、沖縄は実は日本政府によって1879年に武力で侵略され植民地のように扱われて、今日まで来ている土地であります。一時は米軍へ譲渡すらされました。この沖縄県民は日本政府によって自らの土地と静かな生活環境を奪われ続けています。皆さんどうぞ高江に来て、日米両政府が行っているこの現状をぜひ見ていただきたいと思います。 米軍は第二次世界大戦が終わって、現在71年たった、このような状況においても沖縄の土地を占領し続け、空や海を縦横無尽に動き回り、のさばり続けています。日本の航空法も米軍の安全基準も、(※判別できず)米軍基地には適用されておりません。また、日本は法治国家であるといいますが、それは明らかな欺瞞(ぎまん)であることも知ってください。日本の面積のわずか0.6%の面積しかない小さな沖縄に、米軍専用施設の74%を押し付けて、そのような状態を続けていること自体が日本政府の沖縄に対する差別であり、憲法の定める法の下の平等の精神に反しています。このような事実を残念ながら日本のメディアはなかなかきちんと伝えていません。だからこそ私たちは海外メディアの皆さまに、こうして直接訴えにまいりました。皆さまの報道に期待をしております。