公開練習で父の真吾トレーナー（右）らにグローブを着けてもらう井上拓真（中）

　ボクシング７大世界戦＋那須川天心ＷＢＯアジアパシフィック王座決定戦（１３～１４日、東京・有明アリーナ）の第１日メインイベントでＷＢＡバンタム級王座防衛戦を行う同級王者・井上拓真（２８）＝大橋＝が３日、横浜市内の所属ジムで同級２位・堤聖也（２８）＝角海老宝石＝戦へ向けた練習を公開した。堤陣営も見守る中でシャドーボクシングとサンドバッグのみの軽い内容だったが、兄の世界４団体統一スーパーバンタム級王者・井上尚弥（３１）＝大橋＝と堤対策をしてきたといい「手応えはばっちりです」と不敵な笑みをのぞかせた。 　井上尚はかつて堤とスパーリングをした経験もあり、９月の自らの試合後に「手の内は全部知っている。仮想・堤をやります」と宣言。パウンド・フォー・パウンド（全階級最強ランキング）１位を争う兄は最強の練習パートナーだ。拓真は、具体的な内容について「１０ラウンド以上、いろいろやりました。細かくは言えないですけど、準備はばっちりです」とのみ答えた。 　兄弟を指導する父の真吾トレーナーは「ナオがいろいろ（堤を）想定した動きをやってきて、それに全部対応している。その最中に自分がアドバイスしたら、それにも対応する。すごくいいですよ」と説明。兄弟での対策が実っているという。 　この試合をクリアすれば、熱望する他団体王者との統一戦が見えてくる。最大のターゲットはＷＢＣ同級王者・中谷潤人（Ｍ・Ｔ）だ。「中谷選手とはお互いにやりたいと言っている。決まれば自分自身もすごく高まると思う。この先に見据える統一戦に向けて、まずはここを勝ちきって次のステージに進みたいと思います」と、拓真は気合を入れた。大橋ジム大橋秀行会長も「喜んでやりたい。みんなが見たいと思うカードを実現させることでボクシングが盛り上がる」と、サポートする姿勢だった。 　試合はアマゾンのＰＲＩＭＥ　ＶＩＤＥＯが独占生配信する。