軽井沢バス事故で実況見分 バス走らせ異なる条件下のデータ収集
労務管理や運転技術に問題?
バスの転落事故ではその背景となった問題が指摘されたケースも少なくありません。1985(昭和60)年1月に長野市の国道19号でスキーバスが雪や氷の道で滑って犀川に転落、25人が死亡した「犀川スキーバス事故」は、運転手の過重労働があったとしてバス会社の管理責任が問われました。しかし勤務状態と事故原因との因果関係が直接立証できるのかという難しい問題もあり、原因の解明は難しくなります。 軽井沢の事故も、すでに指摘されている運行管理や労務管理の問題のほかに運転者の運転技術の問題、バスの機能に問題はなかったのかなど多角的な調べが必要になり、しかもそのそれぞれが専門的な分野となるため事実の解明は複雑で精密な作業になります。県警の慎重姿勢の背景にはそうした事情がありそうですが、一方で捜査の方向性や困難な問題などは捜査に直接支障とならない範囲で明らかにしていくことが捜査への支援や理解を進めることにつながりそうです。 軽井沢のバス転落事故は乗客、乗員合わせて15人が死亡。国交省の監視カメラにコントロールを失って走り抜ける様子など事故直前の異常な状態が映っていました。
■高越良一(たかごしりょういち) 信濃毎日新聞記者、長野市民新聞編集者を経てライターに。記者歴は報道部、支社局、朝夕刊デスクなど。この間2年地元テレビでニュース解説