“成功体験”が背景に…ダイハツ不正問題 乗り続けて大丈夫? 【#みんなのギモン】
■なぜ短期開発を?不正背景に「ミライース」の成功体験
第三者委員会の報告によると、こうした不正の背景には「過度にタイトで硬直的な開発スケジュールによる極度のプレッシャーがあった」ということです。「担当者はやむにやまれぬ状況に追い込まれて不正行為におよんだ」と指摘しています。 さらに、ダイハツの経営幹部が不正が起きることを想定せず、「未然防止や早期発見のための対策を何ら講ずることなく短期開発を推進した」とも指摘しています。
なぜダイハツは短期開発に走ってしまったのか。一連の不正行為は2014年以降、急増しています。調査報告書では、その背景に2011年に発売した軽乗用車「ミライース」の開発期間を従来より大幅に短縮できた成功体験があるとしています これ以降のプロジェクトでは、さらなる短期開発が求められることになっていったといいます。
そして、ダイハツ社内からは聞き取り調査に対して、「トヨタの期待に応えるために身の丈に合わない開発をリスクを考えず推し進めたことが大きな要因だと思う」という声も寄せられています。親会社であるトヨタの期待に応えることを非常に重要視していたということです。
20日の会見には、トヨタ自動車の中嶋副社長も出席していました。 「2014年以降、小型車を中心に海外展開車種を含むダイハツへの製造委託が増えたことが、開発・認証現場の負担を大きくした可能性があることを認識していなかった」として、「トヨタとして深く反省している」と述べました。
■乗り続けて大丈夫?
続いて、気になるのが「乗り続けて大丈夫?」という点です。 ダイハツの社長は、1つの車種のドアロックの安全性能については確認中だとしつつも「社内の検証ではあるが、乗り続けて問題があるという事象はない」としています。つまり、直ちに乗ると危ないというわけではないとしています。
自動車評論家の国沢光宏さんは、ユーザーはおそらく、国交省がお墨付きを出さないと信用できないだろうとし、最悪の場合は生産や販売に必要な認証が取り消しになる可能性もある、と話しています。認証取り消しとなれば、その車種の生産も販売もできなくなり、認証を取り直すまでには半年くらいかかるそうです。その間、不安は続くということになります。