【高校サッカー】夏冬岩手で2冠 東北王者にも輝いた遠野が3大会ぶりに全国へ
102回目の開催となる全国高校サッカー選手権大会。48校が加盟する岩手県からは遠野高校が3大会ぶり30回目の全国選手権出場を決めました。今回は遠野高校の岩手県大会決勝を振り返ります。 ◇ ◇ ◇ 決勝カードは2023年6月の東北選手権優勝(青森山田・尚志を撃破)・インターハイ出場と力のある遠野高校と2大会前の岩手王者・専大北上。両チームは新チーム結成以降、新人戦・県高総体といずれも決勝戦で相対し、新人戦は1-0で専大北上、県高総体は3-1で遠野が勝利。1勝1敗で迎える3度目の決勝対決になりました。 また、選手権決勝の両者の顔合わせは今回で3大会ぶり3度目となり、過去2戦とも遠野が勝利しています。 攻守に主導権を握り「人とボールが動くサッカー」を掲げる遠野高校。今年は個々に能力の高い選手が揃い、ゲームコントロールに長けるボランチ・昆野翔太選手や菊池遥大選手を起点としてボールをつなぎ、決定力あるFW陣にゴールを託します。 一方、スピード感を武器にサイド攻撃を得意とする専大北上は2年前の全国選手権を経験したボランチ・名久井悠希選手が精度の高いパスを両サイドへ展開し得点機会をうかがいます。 今大会は失点数少なく勝ち上がってきた両者だけにロースコアが予想された決勝戦。前半は遠野が主導権を握り、決定機を作りますが、専大北上がゴール前に人数をかけ得点を与えません。 後半になると専大北上がセットプレーからゴール前に迫りますが、試合で無失点の鉄壁遠野DF陣を崩せず、ゴールとはなりません。予想通り1点を争う展開に。 このまま延長かと思われましたが、後半37分ついに均衡が破れます。ボランチの昆野選手が右サイドへ展開。高橋優成選手がボールを収めると、サポートに来た右近優太選手へ預け、すかさずクロスボール。2年の照井颯人選手が頭で合わせ、先制ゴール。結果、これが決勝点となり1-0で遠野が3大会ぶり30回目の全国を決めました。 メンバー外含め、多くの選手が遠野中学出身の遠野高校。決勝のスタメンも11人中8人がそうです。中学時代はコロナで中総体が中止になり全国を目指す権利すら得られませんでした。 悔しさを胸に「高校で全国へ!」と再集結し、見事目標を叶えました。優勝インタビューで遠野中出身・昆野翔太選手は、仲間はどんな存在ですか?という問いに対し「友達を超えて何にも代えられない存在」とコメント。 東北王者が固く結ばれた絆で夢の全国に挑みます。遠野の初戦は12月31日。2回戦で前回大会ベスト4の大津(熊本)と対戦します。 (取材・文:高校サッカー選手権民放43社/テレビ岩手)