駅逓所や旧道跡、国鉄駅、軌道… 北海道・別海の施設群が土木遺産認定 明治~昭和の交通1カ所に
北海道別海町奥行の文化遺産「奥行臼(おくゆきうす)の交通施設群」が、公益社団法人土木学会(東京)の本年度「選奨土木遺産」に認定された。同学会北海道支部は「明治から昭和の各時代の交通土木施設が1カ所に現存する道内唯一の場所。全国的にも大変珍しい」と説明する。交通の拠点として根室地方の発展を支えた役割に改めて関心が集まりそうだ。 【動画】「特大貨物」シキ800形式大物車が7年ぶりに北海道内走る
施設群は1910年(明治43年)から64年(昭和39年)にかけて竣工。国の指定史跡「旧奥行臼駅逓所(えきていじょ)」と旧道跡は馬の乗り換えや行商人らの宿泊所として整備された。これに「旧国鉄奥行臼駅」と軌道、「旧別海村営軌道風蓮線奥行臼停留所」と軌道跡と合わせた三つの「駅と道路・軌道」が至近距離にある希少性などが評価された。 町教委は奥行臼地区の歴史や自然に触れてもらうために、馬が走った道の跡を散策するツアーや、鉄路に約1キロのレールを残し、トロッコに乗ってもらう体験機会を設けている。これらの交通拠点の歴史を伝える「奥行臼史跡公園」の整備も目指す。