野球しようぜ!母国にバットやボール寄贈15年…スリランカ出身の審判「大事に使いレベルアップを」
この夏に寄贈した野球道具は数量が多くなったため、船便を使って運んだ。福岡から横浜港までの国内分は自身が勤務する大分市の会社が輸送費を負担。スリランカまでの輸送も、在スリランカ日本大使館の協力を得て届けることができたという。
全日本野球協会の国際担当も
スジーワさんは大学卒業後、大分市のホテル会社などに勤務し、別府市でスリランカ人の妻、長男(2)と暮らす。審判として社会人野球の都市対抗野球や日本選手権に参加し、2015年には甲子園球場で選抜高校野球大会の塁審も務めた。16年に全日本野球協会から国際審判員に認定され、22年にはアジア野球連盟の副審判長にも就任した。
今年4月からは全日本野球協会の国際担当も務めている。同協会の山中正竹会長(77)は「野球道具の寄贈や審判の活動によって海外に人脈を持つスジーワさんは、野球を通じた国際交流に欠かせない人材」と信頼を寄せる。
「野球は相手が捕りやすいボールを投げ、走塁や守備の妨害を禁止するなど、フェアプレーで楽しめるスポーツ。仲間や相手を思いやる心が育つ」とスジーワさん。「それを世界に広めることが、自分と日本をつないでくれた野球への恩返し」との思いを強くしており、今後も母国の子どもたちに道具を贈り続けるつもりだ。