日本株、AIブームのおかげで「2025年に大成長」が予測される超注目業界の「プロ厳選・再評価銘柄5選」を実名紹介
イビデン(4062)
■株価(12月20日時点終値)4,190円 ICチップを搭載するパッケージ基板や高密度基板を主力としている。SAP(セミアディティブ法:微細な配線を描く技術)や絶縁フィルム(ABF)を用いた多層化技術など、世界トップクラスの配線技術を駆使し、AI半導体市場で存在感を強めている。 従来は「インテル関連」と位置付けられた同社だが、近年では「エヌビディア関連」としての存在感を高めている。エヌビディアの次世代AI半導体「ブラックウェル」にも同社製ICパッケージ基板が採用されているとみられ、ほぼ寡占状態にあるとみられている。 生成AI向け製品はAIサーバーの複雑な構造の中核を担うだけに収益性も高い。このため中期的な成長戦略では、インテル向けの激しい価格競争を避けつつ、エヌビディア向けの事業拡大に注力する方針を示している。すでにAIサーバー向け製品の生産能力の強化に乗り出しており、2025年度までの投資額は1,000億円へ増額した。生成AI市場向け製品の生産量を現状から4割増やす計画だ。
東京応化工業(4186)
■株価(12月20日時点終値)3,463円 最先端のGPU用EUVレジスト(極端紫外線用感光性樹脂)においてTSMC向けに高いシェアを確保しており、4ナノおよび5ナノのボリュームゾーンにおいても高い稼働率を誇っている。さらに3ナノ向け製品の量産プロセスも立ち上がっており、今後は生産数量の増加が期待できそうだ。 強みは生成AI向け半導体で必要とされる最先端技術への対応力だ。EUVレジストは極めて精密な加工が求められる製品であり、これまでも同社の技術力は他社を圧倒した実績がある。エヌビディアの「ブラックウェル」では2025年も引き続き5ナノプロセスで製造される見通しであり、同社の優位性は中期的にも続くことになりそうだ。 また、高性能DRAMを8層積層したHBM向けの後工程製品も好調で、適用範囲を広げることで収益基盤をさらに強化する狙いだ。生成AIの発展に伴いデータストレージ需要も拡大傾向にあることも追い風となるだろう。 生成AIやAIデータセンターの需要拡大は、今後も半導体業界全体の成長を支える重要な柱となりそうだ。関連銘柄の多くが2024年後半に失速したものの、日本企業が持つ競争優位性を活かした投資戦略として再評価のタイミングを探る価値はあるだろう。 ……・・ 【もっと読む】日本株、これから「市場規模10倍になる」と予想される超注目業界の「プロ厳選銘柄5選」を実名紹介
宇野沢 茂樹(証券アナリスト)