元バレーボール選手 ── 長身モデルがプロボクサーに
ちゃんとしたボクサーになる
──プロテストに合格したわけですね。 KICO 日本ボクシングコミッションのプロテストに合格したのは、昨年11月16日。挑戦する期間は6カ月しかなかった。全くゼロから練習を始めて半年以内というのは極めて少ないみたい。正直に言うと運もあると思う。テストの前はプレッシャーがもの凄くかかっていて、自分自身、追い詰めたりもしました。やらなきゃ、絶対に受からない。でも、120%の力が出せたので…。プロテストはウオーミングアップを男子と一緒にして、女子はシャドーボクシングを2分1R。ヘッドギアなどを着けて実技テストのスパーリングを2分2R、あと筆記。筆記で落ちる子はいないと思うんですけど。 ──今後の予定は? KICO プロとしてやるからには上を目指したいし、デビュー戦に自信を持って挑めるようになりたい。しっかり時間をかけて、ちゃんとしたボクサーになれるように頑張ります。45歳の世界チャンピオンもいるし、焦ってはいません。 ──格闘技の中でもボクシングの魅力とは? KICO 練習は毎日ジムに行って2時間くらいやってます。自分で見つけた、打ち込める新しいものです。ボクシングって凄く洗練されたスポーツで、もともと見るのは好きなんですけど、洗練された美しさがある。同じようにスポーツをしてても、殴り合うというよりかは、なんかスマートで、「美」というものがある。それはこれまで私が仕事としてやってきたものともつながるんです。
夢は何かがきっかけで見つかる
──デビュー戦は? KICO バンタム級の予定です。挑戦してみないとわからないし、どこで開花するかわからない。私は結婚もしてなければ子どももいないので、チャンスが残っているのであれば、可能性に賭けてみたい。両親も寛大に後押ししてくれている。ボクシングを真剣にやってた方から、「その姿勢にすごく感動しました」とかメッセージを頂きました。経歴がちょっと変わってるからってマスコミに取り上げられたり、気にくわない人もいるとは思うんですけど、私に実際に届く声は応援メッセージなので、ほんとに勇気をもらいました。それと、女子はボクシング人口が少ないので、そういうアピールもできればと…。 ──新たな夢を追いかけている? KICO 夢は探して見つかるものではなくて、何かがきっかけで見つかるもの。ボクシングも、私自身、まさかこんな展開になるとは思ってなかった。タイミングです。ジムには、プロを目指している方もいる。エクササイズから入って、子どももいるのにプロになった女性もいる。ずっとスポーツから離れてましたけど、今また充実していますね。 リングネームは「林田季子」。デビュー戦は未定だが、どんな試合をするのか、異色の美人プロボクサーの今後が注目される。 (文責/フリーライター・北代靖典)