駅伝3冠を目指す國學院 院在学中「相川七瀬」が明かす、エース平林との交流秘話
1月2日から2日間にわたって開催されるお正月の風物詩、箱根駅伝。近年は「青山学院大学」と「駒沢大学」の“2強”による優勝争いが注目されがちだが、その勢力図を塗り替えんとするのが、「國學院大學」である。既に2024年10月の出雲駅伝、11月の全日本駅伝で優勝し、いきおい箱根でも勝利を掴めば「大学駅伝三冠」の栄光を手にすることに。そんな國學院チームに期待を寄せるのが、昨年デビュー30周年を迎えた歌手の相川七瀬さん。彼女の力の入れようには理由があって――。 【写真を見る】笑顔が「いいチーム」であることを物語っている 國學院の絶対的エース・平林清澄選手と仲間たち ***
國學院の駅伝チームには特別な思い入れが
國學院大學は1882年設立の皇典講究所が前身で、由緒ある神道の教育機関としても知られる。実は、相川さんは2022年に入学したOGで、現在も大学院文学研究科に籍を置き民俗学を研究中の身なのだ。 そんな彼女が國學院の駅伝チームを応援するのは、単なる“愛校心”からだけではない。なんと、チームの前田康弘監督とは同年代の“友”、選手たちとは普段からLINEやSNSでメッセージをやり取りする仲だという。 「もともと箱根駅伝が大好きで、地元の駒沢大学を応援していました。でも今ではすっかり國學院ファンですね。今の選手たちのことは1年生の頃から知っていて、その努力も傍で見てきたので、特別な思い入れがあります」(相川さん)
「僕は國學院のために、戦う先祖になって走ります」
きっかけとなったのは、大学入学後に受けたスポーツ紙の取材で、前田監督と話す機会を得たことだったという。 「色々と話を聞かせて頂きました。その時に『1年生に平林と山本というすごい選手がいる。彼らが4年になったときにチームは円熟する』と話されていたのが、いまでも印象に残っています」(同) その平林選手は2024年2月の大阪マラソンで2時間6分18秒の学生記録を樹立。チームの絶対的エースとして成長した。 「平林くんがルーキーとして入部した1年生の時、私も実際にその走りを見たことがあるのですが、当時からすでに、『とんでもない子が入ってきたんだな』と思わせるものがありました」(同) 平林選手とは、昨年10月に優勝した出雲駅伝の前に、こんなやり取りがあったそうだ。 「その頃はちょうど大学のホームカミングデーで訪れたブラジルから帰国した直後で、仕事のスケジュールが過密だったこともあり、出雲駅伝の応援には行けそうにありませんでした。だから平林くんに『明日行けないけど、頑張ってね』とメッセージを送ったんです」 すると、平林選手は「分かりました」という言葉と共に、こんなメッセージを返してくれたのだそうだ。 〈僕は國學院のために、戦う先祖になって走ります〉 それは、相川さんの研究姿勢に関する考え方が関係していた。 「私は研究者として、日本の民俗や祭りを次代に残していきたいと考えています。今の自分の学問へのチャレンジは、将来に私のような研究者を生み、結果としてそうした文化を残すことにも繋がると考えています。それを私は“私は戦う先祖になりたい”と表現したことがあるのですが、平林くんはそれを知っていてくれたそうで。嬉しかったですね」(相川さん)