【NBA】ジャマール・マレーの延長契約はナゲッツのサラリーキャップにどう影響する?
デンバー・ナゲッツがニコラ・ヨキッチに次ぐスター選手を長期的にチームにとどめることになった。 【まとめ】『和製カリー』富永啓生はNBA入りできるのか? 現地の評価・反応は?|最新ニュース速報・経歴・プロフィール 『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者が9月7日(日本時間8日)に報じたところによると、ナゲッツはジャマール・マレーと4年のマックス延長契約を結ぶことで合意した。マレーは昨季、ナゲッツで平均21.2得点、6.5アシストを記録している。 これにより、ナゲッツは2023年に優勝を達成したヨキッチ、マレー、マイケル・ポーターJr.、アーロン・ゴードンの主力が引き続きタイトルを目指すことになった。 ここでは、マレーの新契約と、ナゲッツのキャップスペースへの影響をまとめる。
ジャマール・マレーの契約内容
ウォジナロウスキー記者によると、マレーは4年2億800万ドル(約297億4400万円/1ドル=143円換算)の延長契約にサインしたという。 この契約は来季終了後からだ。2024-2025シーズンのマレーは3600万ドル(約51億4800万円)を手にする。現在27歳のマレーは、新契約が満了するときに32歳になっている。以下がシーズンごとの内訳だ。 2024-25 27歳 3600万ドル(約51億4800万円) 2025-26 28歳 4640万ドル(約66億3520万円) 2026-27 29歳 5010万ドル(約71億6430万円) 2027-28 30歳 5380万ドル(約76億9340万円) 2028-29 31歳 5750万ドル(約82億2250万円) 2016年のNBAドラフトでナゲッツに全体7位指名されたマレーは、ヨキッチとともに重要な局面で活躍するスコアラーとなっていった。昨季の1試合平均得点は自己最多タイ。平均アシスト、フィールドゴール成功率、3ポイントショット成功率は自己最多を更新している。
デンバー・ナゲッツのサラリーキャップスペース
マレーの延長契約は次のオフシーズンまで影響しないので、当面はナゲッツの財政状況にインパクトを及ぼすことがない。 ESPNのボビー・マークス記者によると、現在ナゲッツは課税ラインを1090万ドル(約15億5870万円)上回っている。ファーストエプロンを410万ドル(約5億8630万円)上回り、セカンドエプロンまでは780万ドル(約11億1540万円)だ。 新契約を結ばなければ、マレーは2025にフリーエージェントとなっていた。2025-2026シーズンに目を向けると、ゴードンが2540万ドル(約36億3220万円)のプレイヤーオプション。近い将来、ナゲッツの主力で退団するかもしれない唯一の選手となる。だが、ゴードンも近いうちに延長可能だ。 『Spotrac』は、マレーの延長契約前、2024-25シーズンのナゲッツが約5400万ドル(約77億2200万円)のキャップオーバーと見積もっていた。これが、今夏のナゲッツのフロントオフィスが補強面で制限を受け、先発シューティングガードのケンテイビアス・コールドウェル・ポープをオーランド・マジックに放出することになった理由だ。 そして、ナゲッツはダリオ・シャリッチと36歳のラッセル・ウェストブルックを補強として獲得した。 ナゲッツの今後の財政状況はさらに厳しくなるかもしれない。Spotracは現在、2025-26シーズンのナゲッツが約7000万ドル(約100億1000万円)のキャップオーバーになると見積もっている。 現在のNBAにおいて、優勝を競うレベルのチームを維持するためのコストは極めて高い。ナゲッツはその完璧な一例だ。マレーの延長契約で、全盛期にある主力たちをとどめておけるが、同時にその周辺を固めるメンバーの構築が制限されることとなる。
デンバー・ナゲッツのサラリー
Spotracによると、ナゲッツの現選手たちの2024-25シーズンのサラリー合計は1億8257万ドル(約261億7510万円)に達し、フェニックス・サンズ、ミネソタ・ティンバーウルブズ、ボストン・セルティックス、ミルウォーキー・バックス、ロサンゼルス・レイカーズ、マイアミ・ヒートに続くリーグ7位の数字となる。
坂東実藍 Miran Bando、Daniel Mader