サノフィの一般薬部門、ベインとシンベンが共同買収案を検討-関係者
(ブルームバーグ): プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社のベイン・キャピタルとシンベンは、フランスの製薬会社サノフィのコンシューマーヘルス部門に関する共同買収提案を検討していることが、事情に詳しい複数の関係者の話で分かった。同部門は200億ドル(約3兆2300億円)の企業価値とされる。
PE投資会社アドベント・インターナショナルも独自の提案を巡り、政府系ファンド(SWF)のアブダビ投資庁(ADIA)などに連携を打診している。情報の非公開を理由に関係者が匿名で語った。
仏サノフィの一般薬事業、アドベントやブラックストーンら買収に関心
ブルームバーグ・ニュースの過去の報道によると、ベインとシンベンは既にドイツの後発医薬品メーカー、シュターダ・アルツナイミッテルを共同で保有し、同事業の売却を検討。一方、アドベントは最近、フィッシャー・インベストメンツ(FI)の少数株取得でADIAと手を組んだ。
サノフィのコンシューマーヘルス事業に対する入札第一弾は7月中旬までに実施される見込みだと、ブルームバーグ・ニュースは報じている。咳止めシロップや痛み止めジェルなど一般用医薬品(OTC)を販売する同部門の売却は、欧州で今年最大級のM&A(企業の合併・買収)案件になる可能性がある。
免疫療法やワクチンなど最先端の医療分野から長期的価値を引き出すことを目指すサノフィは昨年10月、コンシューマーヘルス事業の分離に向けあらゆる選択肢を検討する計画を発表。同社は最初の入札を求めるのと並行して、同事業上場の可能性を視野に入れた準備も進めている。
仏サノフィ、コンシューマーヘルスケア事業の分離を計画-焦点絞る
関係者によれば、協議はなお進行中で、入札者候補が提携しないことを選んだり、条件提示を断念することもあり得る。ADIA、アドベント、ベイン、シンベンの担当者はコメントを控えた。サノフィの広報担当者は、事業分離の準備は進んでおり、あらゆる選択肢にオープンだと述べるにとどまった。