朝ドラ女優・兒玉遥さん、うつのどん底で見た景色 「アイドル時代は、徹夜でダンス練習して⋯」今だから明かせる真実
■自信も実力もなく「なんで、私なんだろう」と シングルの表題曲センターは、いわば“グループの顔”だ。 48グループをはじめ、多くのアイドルが“センターに立ちたい”と声高に宣言するほど、うらやまれるポジションでもある。 客観的に見れば、活動は順風満帆のはず。 実際、兒玉さんは、4thシングルのリリース当時に「センターって自分で決めるものではないので、どこにいても置かれた場所で輝けるように、これからも変わらず頑張りたい」とコメントを残していた。
しかし、今振り返る本人の思いを聞くと、言葉の印象はガラッと変わる。 「いいポジションをいただいたのに、ビジュアルもパフォーマンスも自信がないし、プレッシャーしかなくて。常に『なんで、私なんだろう。でも、頑張るしかない』と葛藤してばかりでした。周りに『はるっぴ(兒玉さんの愛称)はそのままでいいんだよ』と優しく声をかけられても響かず、ずっと、自分と戦っていました」 アイドルとしての理想に追いつかない。活動が重なるにつれて、だんだんと「眠れない日々」が続くようになった。
寝不足のために翌日も頭が働かず、パフォーマンスにも満足できない。いわば“負のスパイラル”に陥った当時、兒玉さんは「朝を迎えるのが怖かった」と振り返る。 ■出番の前には「子ども」のように泣きじゃくり 19歳の当時には、2016年6月に行われた「AKB48 45thシングル 選抜総選挙」で9位に。念願だった“初の選抜入り”を果たした。 壇上では喜びを口にした兒玉さんであったが、心中では「肩の荷がおりたわけではない」と本音も。
「順位への達成感があっても、自分を『もっと高めなければ』というプレッシャーは拭えなかったです。晴れ晴れとした景色が待っていたはずなのに、苦しさは続きました」と明かす。 そして、同年末には兒玉さんいわく「最後のとどめ」となった、ファンの多くが知る“大事件”が起きた。 2016年12月31日、20歳となった兒玉さんは『NHK紅白歌合戦』のステージにいた。 当時は、48グループのメンバーからえりすぐられた「夢の紅白選抜」の一員として出演。出演メンバー“48名”のうち、視聴者投票で選ばれた上位“16名”をカウントダウン形式で発表する企画が、生放送中に行われた。