J1名古屋・ランゲラック「異国では何をするにも家族と一緒」だから名古屋での生活は「強い思い出がある」さあホームラストゲーム…思いを語る
名古屋グランパスは30日に今季のホーム最終戦・鳥栖戦に臨む。今季限りで退団するGKランゲラック(36)にとって、グランパスの選手としてホーム最後の試合。7年間過ごした街、チームへの思いを聞いた。 ◆ランゲラック、貴重なPKキックにスーパーセーブ!【写真】 ランゲラックの思い出深い地は、久屋大通公園や名城公園、瑞穂公園。練習後やオフに、妻と子どもを連れて緑の中を歩く―。一人の良き父としての姿が浮かぶ。 「それに、家族で焼き肉店やカフェに行ったよ。サッカーの思い出はもちろん素晴らしいけれど、私のような外国人は、異国では何をするにも家族と一緒。だから、強い思い出があるんだ」 そう語る通り、7年間は子ども3人が生まれるなど、プライベートも大きく変化。そして、妻との絆をより深める時間でもあった。「サッカー以外の時間は家族と一緒に過ごすことができたから、おかげでもっと奥さんや子どもと接することができた」とかけがえのない日々を振り返った。 2018年にグランパスに加入。18、19年の残留争いを乗り越え、21年は21戦無失点、823分連続無失点のJ1記録を樹立。クラブ初のルヴァン杯制覇にも貢献した。23年5月にはJ1通算185試合出場で、クラブの外国人最多出場記録を更新。現在、240試合にまで伸ばしている。 私生活、キャリアともに「人生が変わった」7年間は自身にとって「全てを意味する。そう言うのが一番ふさわしい。来日した時は1、2年だと思っていたけど、本当に素晴らしい経験ができた」と感慨を込めた。 特に大きな意味を持ったのが背番号「1」。元日本代表、そしてクラブの顔のGK楢崎正剛が守った意味深い数字を19年から引き継いだ。「今まで成し遂げてきたことは、ナラさんと比べたらそこまで大したことではないかもしれないけれど、その次に背番号1を長く着られたのは本当に良かった」と深い敬意を言葉にした。 退団後、キャリアを始めたメルボルンビクトリーへの復帰を決めている。「自分の体が耐えることができるまでプレーすることができれば。情熱があって、向上心がある限り続けることができる」と40歳までのプレーを目指す。いつかは来る引退後は「オーストラリアでGKコーチをしたい。ゴールを守る仕事というのは、自分の中では芸術だと思っている」と笑みを見せた。 グランパス、メルボルンビクトリーがともにアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)に出場すれば対戦する可能性もある。「そんな形で皆さんの顔を見ることは、すごくうれしいことになる」 日本に帰ってくる可能性がもう一つある。鍵を握るのは、大のグランパスサポーターという長男のサンティアゴ君。来日した18年に生まれ、今は6歳。もし、グランパスの下部組織でプレーしたいと言ったら?「そうしたら、また日本に来なければいけないね」。ちゃめっ気たっぷりに、ほほ笑んだ。
中日スポーツ