外国人労働者、14%が就業トラブル…「紹介元の費用が高い」「説明以上の日本語能力求められた」
厚生労働省は26日、技能実習生や永住者ら日本で働く外国人労働者について、就職・転職状況や賃金など労働実態に関する初めての調査結果を公表した。外国人労働者の14・4%が、紹介費用や仕事内容などを巡ってトラブルを抱えていたことがわかった。 【図】一目でわかる…外国人労働者の就労上のトラブル
調査は外国人労働者が増加する中、実態や課題を把握し、政策に反映させることが目的。昨年10~11月に行い、労働者1万1629人と雇用する3534事業所から回答を得た。労働者の在留資格別では、技能実習が最多の22・8%で、永住者は18・9%、特定技能は11・9%だった。
労働者に就労上のトラブルの有無を尋ねると、14・4%が「ある」と答えた。内容別(複数回答)では「紹介会社(送り出し機関含む)の費用が高い」が19・6%で最も多かった。
「説明以上に高い日本語能力を求められた」(13・6%)、「仕事内容について説明がなかった」(7・3%)など、事業所側の説明の不備を訴える回答も目立った。
月の平均賃金は26万7000円で、特定技能が23万2000円、技能実習が20万4000円。大学の研究職や経営者など高度専門職は60万円で最も高かった。
事業所が外国人を雇う理由(複数回答)は「労働力不足の解消・緩和」が64・8%で最多。雇用上の課題では、「日本語能力等のためにコミュニケーションが取りにくい」が44・8%で突出して多かった。
労働者の43%は就職・転職の方法として、SNSを含む「知人、友人」を挙げており、ハローワークを利用したのは3・9%にとどまった。技能実習に代わり、2027年までに始まる新制度「育成就労」では、転職が認められるため、厚労省は外国人のハローワークでの支援に力を入れていく考えで、担当者は「周知を徹底し、相談体制も強化したい」と話す。