NYのセレブ夫婦に突然の亀裂!? 映画『ブルックリンでオペラを』レベッカ・ミラー監督インタビュー
『ブルックリンでオペラを』ってこんな映画
◆Story◆ 人気精神科医のパトリシア(アン・ハサウェイ)は、夫で著名な現代オペラ作曲家のスティーブン(ピーター・ディンクレイジ)と、前夫との息子ジュリアン(エヴァン・エリソン)と3人で、ブルックリンで暮らしています。5年前に大スランプに陥ったスティーブンを診たことで出会い、その後、2人は結婚したのでした。とはいえ現在もスティーブンは絶賛スランプ中。そんな夫を「気分転換にいってらっしゃい!」と、半ば無理矢理に愛犬との散歩に送り出すのですが、その道中、バーに立ち寄ったスティーブンは、そこで昼から飲んでいた曳船の船長をしているカトリーナ(マリサ・トメイ)と出会いーー。
20年前にアン・ハサウェイさんは監督の映画のオーディションに落ちて以来、ずっと監督の作品に出ることが夢だったと資料にありました。監督自身は当時のことを覚えていらっしゃいますか? 「ええ、当時、大学生だった頃の彼女を覚えてますよ。ただ、その時の役というのは16歳の女の子で、それにはちょっとアンは大人になり過ぎていた。求めていたキャラクターより、ずっと洗練され過ぎていたのでお断りしたのですが、その時、彼女が自分で書いた“手書きの詩”を渡してくれたことを覚えています。でもそれ以降、この映画で再び出会うまでの20年間、交流はありませんでした」 「ずっと一緒に仕事をしたいと思い続けて来たくれたと聞いて、そりゃやっぱり嬉しかったですよ(笑)。実は今回は、私が最初に思い描いていたパトリシアという役は40代で、今度は逆に彼女より少し上の年代の設定だったんです(現在のアン・ハサウェイは41歳ですが、撮影当時は30代後半。役の想定は40代中盤だったのでしょう)。でもアンがパトリシア役に多大な関心を持ってくれたので、今度は彼女に寄せた役に書き直しました。そうして本当に良かったです」 パトリシアの衣装が常にとっても素敵ですが、家に居るときも教会に行くも常にタイトな服装をビシッと着こなしています。潔癖症な彼女が自分を常に律している様子や彼女の規律正しさの発露でしょうか。自分をもっともっと、と追い詰めているようにも感じました。 「パトリシアはペンシルスカート(日本語で言うとタイト・ロング)をよく履いていますが、特にスカートはその形/スタイルで行こうとアンと最初に話し合って決めていました。シルエットがとても綺麗なんです。とにかく清潔さを求めるキャラクターなので、そういう意味でも綺麗なラインやシルエットを良しとするだろうと選びました。ただ、言われてその通りだと思ったのは、確かにパトリシアが自分をより鍛練しているように見えますね。どんどん極めていく印象があります。アンが今回、企画段階から関わってくれたので、そうした衣装を含め、脚本開発やキャスティングなど、色んな意見をしてくれました。とてもディープなコラボレーションでしたね」