6月の「配当取り」を狙える、注目の日本株「高配当株・増配株5選」を実名公開
不祥事、後継者問題には注意
(9)自己資本比率 自己資本比率が低いほど借金が多いことを意味します。自己資本比率40~50%以上が目安です。 (10)ROEが高いか ROEとは、自己資本利益率と訳されますが、簡単にいうと、経営効率が良いかどうかを表します。米国株に比べ日本株は低い傾向にありますが、2桁あれば優良、8%あれば合格ラインでしょう。 (11)不祥事の過去がないか 企業は不祥事を起こすと、連続する傾向にあります。または、過去の不祥事が続けて明るみに出ることもあります。報道を見て「またか」と思われることがありませんか? この1年間でも不祥事が複数見られました。 (12)後継者問題がないか カリスマ創業者が企業を成長させていることは大いに評価できますが、そういう企業には後継者問題があることがあります。 (13)PER推移 ここまでの12項目が優良であり有力な投資先候補になったとしても、高値掴みはいけません。予想PERが過去に比べて高くなっていないかを確認しましょう。過去の予想PERに比べて大幅に低い「バーゲンセール状態」が理想ですが、それを待つといつまでも投資できません。高値掴みでなければ良しとしましょう。 以上、13項目を挙げましたが、100点満点の銘柄はありませんから、総合的に判断してご自身が納得できる銘柄を探してください。
6月注目の「高配当株・増配株」
◆銘柄紹介 それでは、6月に権利付最終日を迎える、高配当株や増配株を紹介します。権利付き最終日(この日までに株を買えば配当金が貰えます)は、2024年6月26日(水)です。 (1)荏原製作所 ポンプ製造を祖業とする産業機械のメーカーです。現在は、冷熱機械、送風機、廃棄物処理施設、半導体製造装置なども手掛けます。海外売上比率は約60%です。株価は、昨秋から急上昇しています。配当は業績に連動して支払われます。5期連続増配の予定です。 (2)ヤマハ発動機 二輪車、電動アシスト自転車、マリン製品など輸送機器のメーカーです。半導体製造装置も製造しています。海外売上比率は90%半ば、特にアジアに強い企業です。5年チャートは右肩上がりです。4期連続増配の予定です。 (3)ブリヂストン タイヤ売上高で世界トップ3です。タイヤが必要なくなる将来は考えにくいと思います。例えば、自動車がEV(電気自動車)になっても、空を飛ぶようになってもタイヤは必要です。 5年チャートは右肩上がりです。過去10年間、配当性向を上げながら増配基調となっています(コロナショックでいったん減配)。株主還元策に「安定的且つ継続的な配当額の向上に努める」と記述しています。 (4)ユニ・チャーム 衛生用品大手で、紙おむつでは国内首位です。海外売上比率が3分の2を占めます。人口減の日本ですから、内需に頼らずに事業しているところは評価できます。 株価は、昨夏以降では調整しているものの、長期チャートは右肩上がりの線を描いています。株主還元も優秀で、23期連続増配の予定です。統合レポートにて、「安定的、継続的な増配を実施する」旨を公表しています。 (5)INPEX INPEXは、日本最大の石油および天然ガスの開発企業です。株価は、原油価格に連動する傾向にあります。短期的に事業環境等が悪化した場合でも、1株当たり年間配当金の下限を30円とすることが発表されています。株主を意識した経営は評価できます。 個人的には、長期逆張りで、原油価格が下落して株価も下落したときに仕込むつもりです。 高配当株や増配株に投資すれば、軟調な相場においても配当金があることが心の支えになります。また、すべての高配当株や増配株がそうではありませんが、株価がディフェンシブである銘柄が多いためメンタルが保てます。 6月の権利付最終日を前に、高配当株や増配株に注目してみてはいかがでしょうか。 ◆免責事項 この記事では株式投資についてご紹介しましたが、あらゆる意思決定、最終判断はご自身の責任において行われますようお願い致します。ご自身の資産運用等において、損害が発生した場合、編集部ならびに筆者は一切責任を負いません。ご了承ください。
桶井 道((おけい どん))