「自分の顔への憎しみがピークに…」女性の整形級メイクが106万回再生、「目の大きさ違う」ナチュラルに”大化け”
■「メイクは私のことを確実に前に進めてくれる」
――メイクをする以前、綾瀬さんはどんなところにコンプレックスを抱いていましたか。 「自分の顔も体型も何もかも全てです! 鏡や写真を見るのも嫌で、だけど承認欲求が強いので自分の写真は撮ってもらいたかったりして、そして写っている自分が理想とかけ離れすぎていて落ち込んでいました。自分の顔のパーツが全部気持ち悪く思えて、何が気に入らないのかもわかりませんでした。だけど、メイクの研究を頑張るようになってからは、一つ一つのパーツを冷静に分析するようになったので、自分の顔の中で認められるパーツも少しずつ増えていきました。そういう意味でも、メイクを頑張るようになって良かったなと思います」 ――メイクをしたことでの周囲の反応、一番嬉しかったエピソードなどがあれば教えてください。 「同性の友達に『なんかかわいくなったね!』と言われたのがすごく嬉しかったです。今思えばお化粧のおかげもあるけれど、少し自分に自信が持てて、明るく振る舞うことができるようになったのもそう言ってもらえた理由なのかもしれないと思います」 ――自分に似合うメイクをすることで、綾瀬さんの見た目への考え方やコンプレックスに対する向き合い方はどう変化しましたか? 「今でも自分のすっぴんを見て落ち込むことがたくさんありますが、『でも化粧したら良くなるしな~』と思えるようになったことで少し気が軽くなりました(笑)。劇的に顔が変わったり、自分を認めたりできるようになるわけではないけれど、メイクは私のことを確実に前に進めてくれるかけがえのない存在です」
■「“かわいくなるための努力”は完全にポジティブな理由であるべき」
――SNSでは、メイク方法のほかにも「今は令和、誰かをブスと言わなければ主張できないかわいいなんて捨てろ」「消えないほっぺのクレーターはお月様の証」など、ルッキズムに対してポジティブな考え方も提示されていますね。 「私は“かわいくなるための努力”は、完全にポジティブな理由で行われるべきだと思っています。強迫観念的な気持ちを動機とした努力は絶対にどこかで破綻するからです。今の自分も素敵だけど、もっと素敵になりたい。そういう気持ちでする努力でないと自分も他人も傷つけてしまう。だけど、誰かに容姿を悪く言われる経験は、ネガティブな動機や強迫観念を誘発してしまうんです。こんなにルッキズムが蔓延っている時代だからこそ、『容姿を悪く言われる』という経験をする人が少しでも減ってくれたらいいなと日々思っています」 ――そんな綾瀬さんが自身を肯定的に受け止めるためにモットーにしていることはどんなことですか? 「とにかく自分を責めないこと! 私って本当にいい加減な人間で『これくらい勉強しよう』とか『このお菓子は食べないでおこう』とか、自分との約束をすぐ破っちゃうんです。その度に自己肯定感爆下がりで、かなりしんどい思いをしていました。でも、自分を責めるという行動自体がまた新たなストレスを生んで、それでまた自分との約束を破ってしまう……という悪循環にハマっていることに気がついたんです。それからはとにかく自分を責めないように、思考の方向転換をしています。いい加減でも、これが私だから。それこそが本当の自己肯定なのかなと思います」 ――見た目のコンプレックスに悩む方へ、どんな言葉をかけていきたいですか。あるいはどんな発信をしていきたいですか? 「こんな言葉をかけたいというものは、実はありません。というのも、きっと皆さんの悩みは一つ一つオリジナルのもので、私がなにか言葉をかけたくらいでパーッと解決に向かうって思うこと自体が傲慢だと思ってしまうので。だからこそ、私が発信する言葉で今日1日だけでも少し気持ちが上向きになる、そんなことがあったらそれだけでもう最高って思います。そんなコンテンツをこれからも作っていきたいです」