〝育成オールドルーキーコンビ〟がソフトバンクで早期支配下入り誓う 99年生まれの大友宗と川口冬弥「失うものは何もない」
ソフトバンクに入団する〝育成オールドルーキーコンビ〟が早期の支配下入りを誓った。育成3位の大友宗捕手(25)と育成6位の川口冬弥投手(25)は、ともに1999年生まれ。今回のホークスのドラフトで指名された選手の中では最年長だ。2人は「失うものは何もない。少しでも早く支配下に上がりたい」と声をそろえた。 ■元タレント夫人と腕組みハニカミ2ショット【和田毅秘蔵写真】 大友は大阪府出身で身長181センチ、86キロ。京都・鳥羽高から帝京大、日本通運を経て、独立リーグの茨城アストロプラネッツでプレーした強肩、強打の大型キャッチャーだ。 帝京大では最上級生になってからレギュラー。卒業後にプレーした日本通運でも正捕手にはなれず、出場機会が少ない中で大きな決断をした。「もしこのまま日通(日本通運)に残ったら5、6年はプレーできるかもしれない。でも、もし独立リーグに行っていたらプロに行けたんじゃないか、という思いを持って野球を辞めたくなかった。ダメだったら野球が終わるという覚悟だった」。日本通運を2年で退社し、独立リーグに挑戦した。 ソフトバンクへの入団が決まり、9月の秋季キャンプからチームに合流している。「バッティングももちろんだし、一線級の投手の球をしっかりキャッチングすることが課題」と、ソフトバンクが導入する最新鋭の打撃マシン「トラジェクトアーク」を攻守にフル活用して練習に取り組んでいる。 「後悔を残したまま野球を終わるんじゃなくて『ここまでやってだめだったらしょうがない』って思えるぐらいやることが大事。それはプロに入っても同じ。そういう気持ちを忘れずにやりたい」 ◇ ◇ ◇ 奈良県出身の川口は187センチ、89キロの大型右腕で、東京・東海大菅生高、城西国際大、社会人クラブチームのハナマウイを経て徳島インディゴソックスでプレー。最速155キロの直球と空振りが取れるフォークは即戦力レベルと期待されている。 「光りを浴びてこなかった側の野球人生だった」と振り返る。東海大菅生高では、チームは2017年の夏の全国高校野球選手権大会でベスト8入りしたが、川口はアルプススタンドでメガホンを握っていた。「(チームには投手がたくさんいたので)指折りで18番目くらいの投手だった」。大学も初めてベンチ入りしたのは4年の春だった。 「プロに行きたいと言っても周りは『何を言っているんだ』という感じ。いつか見返してやりたいとは思っていた」 そんな中、大学4年秋に出会ったトレーナーに体の使い方を教えてもらうと急成長。制球力が向上し、最速は155キロまでアップし、ソフトバンクに育成6位で指名された。「今が一番野球が楽しいし、ラストチャンスをつかめたので今までやってきたことを試して勝負するだけ」。大学、社会人、独立リーグといろいろなチームを渡り歩いてきた苦労人の2人。支配下入りという狭き門を突破するために歩み始めた。(大橋昂平) 【#OTTOソフトバンク情報】
西日本新聞社