長つづきする「人づきあい」秘訣は“放牧スタイル”…「過去の関係性」に執着してもうまくいかない
私は、「この人とは人生のステージがズレたのかも」と思ったときは、スッと離れてみるのが良いと思っています。相手も自分も、変わりつづけています。お互い、体も心も日々変わっているのだから、同じ関係でいつづけられないこともある。 だから、まずは自分の感覚を第一に考えて。合わない関係性に執着するより、今の自分に合う関係性を大切にするほうが、ずっと心地よく、ポジティブな心の状態を保てるはずです。 ■人づきあいは「放牧スタイル」で
「とはいっても、これまで大事にしてきた関係性を捨てるのはちょっと……」と、困惑した人もいるかもしれません。その気持ちはもっともです。 楽しい想い出がいっぱいの恋人、長く苦楽を共にしてきた仲間、何度もアドバイスをもらってお世話になった恩人……、そんな関係を、いきなり切り捨てるのはちょっと不義理なようにも思えますよね。 でも、私が言いたいのは「古い関係は捨てなさい!」ということではありません。ただ「ちょっと手放してみたらどうですか?」と提案したいんです。
たとえば、片付けのアドバイスとして「いらないモノは捨てましょう。捨てなければ、良いものが手に入ることもありません」とか、恋愛のアドバイスで「古い縁を捨てないと、新しいご縁はありませんよ」といった内容を聞いたことがあると思います。 こんなふうに「捨てる」と言うと、2度と戻ってこない気がしますよね。決して取り返しのつかない選択みたいに思える。だから、「捨てよう」と思うとかなりの勇気がいるんです。「やっぱり捨てたくない!」と執着心が芽生えることにもつながりやすい。
一方、「手放す」だけだったら、もっと気楽に考えられると思いませんか? 一瞬手を離すのに、大げさな覚悟なんていりません。だって、自分にとって必要だと思ったら、また摑めばいいだけだから。 私は新卒で入った会社の同期と今でも付き合いがあるのですが、これまでの約20年間で、グループを抜けていった人もいれば、また戻ってきた人もいます。私自身も、集まりに呼ばれない時期もありました。 「参加しなくてもいいや」と思ったこともあるし、逆に自分からみんなに声をかけたこともあります。