阪神・岩崎 守護神明言した藤川監督の思いに応える 石井&桐敷を刺激に「自分も数字を出さないと」
阪神・岩崎優投手(33)が22日、西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、現状維持の2億円でサインした。一昨年オフに国内FA権を行使した上で宣言残留。4年総額8億円の契約を結んでおり、来季が3年目となる。藤川監督から来季の守護神起用を伝えられた左腕は来年34歳。「まだまだ成長できる」と若手に負けない活躍を誓い、成績でもブルペン陣を引っ張っていく。(金額は推定) 会見場に現れた岩崎は「お願いします」とペコリと頭を下げ、球団旗の前の席に着いた。ささいな所作から謙虚な人柄がにじむ。会見中は終始穏やかな表情。ただ、年齢の話題になると「何かね、チームが他に比べて若いですから上みたいになってますけど…」と丁寧に切り出し、藤川監督とのやりとりを明かした。 「監督との話でもあったんですけど、『まだまだだぞ』と言われましたので、年齢とか。しっかりしないといけない。まだまだ成長できるようにやっていきたい。年齢のせいにはしないように」 来年6月に34歳になる。ベテランと呼ばれる年齢に差しかかったが、その言葉に甘えるつもりはさらさらない。今季は2年連続60試合に登板し、4勝4敗、防御率2・20をマーク。ゲラとダブルストッパーを務め、23セーブ、17ホールドの成績を残した。「1年間しっかり頑張ってくれた」。球団のねぎらいの言葉にも左腕は不満げだ。 「すごく悪かったとは思わないですけど、もうちょっとできたところはある。他のブルペン(陣)に負けてしまったところがあって」。自らの提案で防御率や被安打率などをチーム内で競い合ってきた。石井や桐敷がめざましい飛躍を遂げる中、「みんなに負けないように」と語気を強める。 「結局自分も数字を出さないと。言っていることとやっていることに“勢い”が出ない」。例年、地元・静岡での合同自主トレには弟子入り志願者が殺到。後輩から慕われる立場だからこそ、自身の成績でも健在ぶりを示す必要がある。 指揮官への恩返しもモチベーションだ。藤川監督は現役時代から大きな影響を受けてきた存在。「(学んだのは)全部。取り組み方、考え方も」。10月の秋季練習中には「九回で今のところ考えている」と来季の守護神起用を直接伝えられた。「正直びっくりした。もう違う人が務めるのかなとか考えたりしていた」と本音をこぼしつつ、「引き締まった」と指揮官の信頼を受け止めた。 来季20セーブを挙げると30代シーズンで4度目となり、藤川監督の3度を超える。「勝つことを第一に、他の数字がついてくればいい」。昨年、美酒の味を初めて知った。もう一度みんなと頂点に立ちたい。2年ぶりの胴上げ投手へ、守護神の仕事を務め上げる。