FRBのバランスシート縮小減速、先送りを支持=ボウマン理事
[28日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のボウマン理事は28日、FRBが今月発表したバランスシートの縮小ペース減速について、自身は開始の先送りか、もしくはより緩やかな減速を支持しただろうと述べた。 日銀金融研究所国際コンファランスの準備原稿で、商業銀行がFRBに預ける準備預金の水準は依然として潤沢で、2022年半ばから導入されている月950億ドルの縮小目標を継続する余地がまだあるとの見方を示した。 「準備預金が十分な水準に近づくにつれてバランスシートの縮小ペースを緩めることが重要だが、私の見解ではまだその段階には達していない」とし、FRBの翌日物リバースレポファシリティーの利用が依然かなりの規模であることを踏まえるとなおさらだと述べた。 FRBは今月、バランスシートの縮小ペースを減速させると発表。6月1日から月間で最大600億ドルの米国債の縮小ペースを250億ドルに引き下げる一方、住宅ローン担保証券(MBS)の縮小ペースは月間350億ドルで維持するとした。 この決定をした4月30日─5月1日の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では、全ての当局者が現時点での変更を支持したわけではないことが明らかになっており、ボウマン理事の発言は同氏が先送りを望んだ参加者の1人だったことを示唆している。 同氏は「経済がまだ好調なうちにできるだけ早く十分な準備預金に達するため、バランスシートの規模を縮小し続けることが重要だ」とし、「そうすることでFRBはバランスシートをより効果的かつ確実に活用し、将来の経済・金融ショックに対応することが可能になる」と述べた。 バランスシート縮小の変更が金利など金融政策の変更を反映しないとFRB当局者が効果的に伝えることが重要とも強調した。 このほかバランスシートに関する長期的な検討事項として、主に国債で構成し、短期の債券に「やや傾いた」ポートフォリオが好ましく、FRBにより高い柔軟性をもたらすとの見方を示した。