坂本勇人はショートが最も似合う? 「V奪回のカギを握る起用法」指摘が
その遊撃から三塁にコンバートされたのが、昨季のシーズン終盤だった。坂本はまだまだ遊撃のレギュラーで活躍できる力を持っていたが、体に負荷がかかるポジションで故障による離脱が近年増えていた。プロ1年目の門脇誠が攻守で頭角を現していた背景もあり、中・長期的なチーム戦略を踏まえて遊撃に門脇を据え、坂本は守備の負担が遊撃より軽いとされている三塁に回った。
坂本不在で打線が機能
攻守の中心選手として今年も三塁で活躍が期待されたが、思い描いた活躍ができない。62試合出場で打率.230、4本塁打、18打点。例年は不調の時期があっても修正して安打を重ねていたが、今年は打撃の状態がなかなか上向かない。勝負強さも鳴りを潜め、6月下旬に登録抹消に。打撃不振でのファーム降格は新人の07年以来17年ぶりだった。 坂本が離脱したことで戦力低下が懸念されたが、捕手に岸田行倫、一塁に大城、三塁に岡本和が入る布陣でスタメンが固まり、打線が稼働している。昨年まで不動の正捕手だった大城は春先から攻守で試行錯誤を繰り返し、ファーム降格を味わったが、岡本のあとを打つ五番に定着。打順別で最も成績が良く、15試合出場で50打数18安打、打率.360、2本塁打、6打点をマークしている。 スポーツ紙記者は、「好リードで投手陣を牽引する岸田の貢献度も見逃せません。坂本が三塁に入ることで、大城が捕手に入って岸田が外れてしまう。チームが最も機能する布陣を考えると、坂本を遊撃に戻す選択肢は検討する価値があります。門脇、泉口友汰との競争で勝ち抜いた選手をスタメンで起用する。遊撃は長年守り続けてきたポジションなので、練習や実戦を重ねれば不安はないと思います」と提言する。 遊撃で一本立ちを期待された門脇は72試合出場で打率.216、0本塁打、8打点。5月下旬以降はスタメンから外れ、泉口と定位置争いを繰り広げている。坂本をどのポジションで起用するのが、チームにとって最適解か。V奪回のカギを握るテーマと言っても大げさではない。 写真=BBM
週刊ベースボール