ロシア寄りの右派演説ボイコット ウクライナ大統領、独議会で訴え
【ベルリン共同】ウクライナのゼレンスキー大統領は11日、ドイツ連邦議会で演説し「プーチン(ロシア大統領)の敗北が私たち共通の利益だ」と述べて支援継続を訴えた。ドイツメディアによると、ウクライナへの武器供与に反対し、ロシアに近いとされる右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」や左派ポピュリスト政党の一部議員がボイコットした。 ドイツでは9日投票の欧州連合(EU)欧州議会選で、AfDがショルツ首相の社会民主党(SPD)など連立与党を抜き勢力を拡大した。ドイツはウクライナに対して米国に次ぐ規模の軍事支援をしてきたが、AfDの台頭で支援の先行きを不安視する声もある。 ゼレンスキー氏は、ドイツの東西分断の歴史を念頭に「ウクライナの分断を防ぐためにあらゆることをする」と強調。領土を割譲することなく「私たちの条件で戦争を終結させる」と訴えた。 ボイコットしたのは議員約730人中、2党の数十人。AfDの共同代表らはゼレンスキー氏の演説前に「迷彩服を着た演説者の話を聞くことを拒否する」と表明していた。