「ACLってなぜか人生の節目にある」川崎・鬼木達監督が語るアジアとの戦い。前大会の横浜とアル・アインの決勝に感じたこと【インタビュー5】
「勝つための最善の策を逆算したい」
9月18日のアウェー・蔚山戦で幕を開けるACLエリートがいよいよ迫って来た。新フォーマットに変わり、川崎にとっても未知の戦いとなりそうな今大会。「ACLってなぜか人生の節目にある」と語る鬼木達監督は、どんな心境でいるのか。スペシャルインタビューの最終回である。 【画像】セルジオ越後、小野伸二、大久保嘉人、中村憲剛ら28名が厳選した「J歴代ベスト11」を一挙公開! ――◆――◆―― 今年5月に開催されたACL2023-2024の決勝。横浜がUAEのアル・アインと対戦したゲームを鬼木監督も見守っていた。 もしかしたら自分たちがここにいたのかもしれない。そんなちょっとした悔しさも頭の片隅に置きながら、それでもアウェーの第2戦で横浜を1-5で破ったアル・アインの力強さに驚きを感じていたという。第1戦は横浜がホームで2-1で制していたが、敵地・UAEでの試合内容は、横浜が退場者を出したこともあって大きく異なった。 「アル・アインの助っ人選手たちの力強さが際立っていましたよね。ああいう舞台になると、あれだけ力の持った選手たちがあれだけのパフォーマンスを示すんだなと。(前半のうちに)マリノスがひとり減りましたが、アル・アインは慌てていなかった。そこもさすがだなと。やっぱりああいうゲームって数的有利になっても、一発を食らうかもしれないと、少しひるんでしまうことがある。人数が多いチームが攻めあぐねる状況ってよくあるじゃないですか。でも、アル・アインは慌てずに圧力をかけていた。力のあるチームだなと感じましたね」 今回のACLエリートは東地区、西地区に分かれ、各12チームが、それぞれ8クラブと1試合ずつ戦い(ホーム4試合、アウェー4試合)、各地区上位8クラブがラウンド16に進む。そのラウンド16はホーム&アウェーの2試合合計スコアで争い、準々決勝から決勝は東地区と西地区が合わさったトーナメント戦で、2025年4月25日から5月4日までサウジアラビアで集中開催される予定だ。 これまで東地区と西地区のクラブは決勝でしか対戦しなかったが、今大会からは頂点まで、資金面で潤沢な中東勢らと3度、対戦する可能性があるわけだ。東地区のチームとしてはハードルが上がったと言っていい。 それでも川崎にはアル・ヒラルでACL制覇の経験のあるバフェティンビ・ゴミスや、今季加入のエリソンといった前線にパワーを加えられるタレントもいる。今大会から外国人枠は撤廃されているため(選手の登録枠は25人)、起用法も広がるかもしれない。 「(助っ人たちを並べる)そういう戦い方もありかなとも思っています。そういう発想は臨機応変にやりたいですね。試合を行なうピッチの状況、その時の選手たちの調子、相手との相性など、すべてを考え、ベストなメンバーで臨みたいと考えています。明らかに相手が嫌がりそうな戦い方があった場合は、それを選択しますし、勝つための最善の策が何かっていうところから逆算したいですね」