二酸化炭素濃度などを手軽に可視化! Apple HomeKitにも対応した空気品質チェッカーを試す
HomeKitと連携させればiPhoneなどでも利用可能に
さて本製品はHomeKitとの連携により、iPhoneのホームアプリ上で測定値を表示できる。ホームアプリで「アクセサリの追加」を実行すると本製品が検出されるので、それを選択し、本体底面に貼られている8桁のコードを入力すればよい。検出がうまくいかなければ、本製品の上部のボタンを8秒間押してリセットをかけることで、再検出が行える。 セットアップが完了すると、iPhoneのホームアプリで、本製品によって測定した値が表示されるようになる。表示されるのは、温度/湿度/二酸化炭素/空気質で、PM2.5およびPM10は、両者がまとまって空気質という1つの項目で表示される。 それぞれの値を元に、アクションを設定することもできる。例えば二酸化炭素回りであれば、スマートプラグと連携させておいた換気扇を二酸化炭素濃度が上がればオンにする、といったことができる。もっとも実際に使ってみた限りでは、二酸化炭素濃度が上がった時にスマホに飛んでくる通知の方が、機能的にありがたいと感じた。 なお試した限りでは、これらの値をダッシュボード的に表示することはできないようだ。ダッシュボード的に一覧で表示したいのであれば、HomeKitではなく、本製品の専用アプリをインストールした方がよい。 こちらであれば各測定値を一覧表示できるのに加え、履歴についても取得可能だ。さらにCO2測定のキャリブレーションも行える。ただしアプリは日本語化されておらず、英語もしくは中国語での表示になるので、ハードルは若干高い。
他にない製品だがスコアの信頼性はいまひとつ?
以上のように、5種類の空気品質を手軽に測定でき、かつHomeKitとの連携にも対応した製品なのだが、やや気になるのが、各測定値があまり正確ではないと感じられることだ。 例えばCO2濃度の場合、市販のNDIR方式の製品と比べると、おおよそ50~120ppmほど低い値が表示される。2つの製品を同じ環境でキャリブレーションした上で再度テストを行ってみたが、特にこの傾向は変わらなかった。 これらは本来の値よりも低く表示されるというだけで、荒唐無稽な値を表示しているというわけではないので、一定のバッファーを見積もっておけば普通に使えるのだが、メーカー間/製品間のズレで片付けるにはやや差が大きく、信頼性という点ではいまひとつだ。 温度湿度についても、CO2濃度ほどではないものの、多少のズレはあるように感じられる。そこを許容できるかどうかが、1つのポイントになるだろう。 筆者の場合、セットアップにあたって目立ったトラブルは見られず、その後もスムーズに使えているが、Amazonのレビューを見ると、セットアップの過程でうまくいかずギブアップしている人は少なからず見受けられる。現行のファームウェアでは問題点の多くは解消されているようだが、そもそもHomeKit自体が決して分かりやすいとはいえず、それに加えて本製品自体かなりの癖があるのが原因のようだ。 それゆえ万人に勧められる製品とは言えないのだが、とはいえ他にない製品ということで、うまくいった時の恩恵は大きい。発売直後は1万円台後半だった価格も半額近くにまで下がっているので、ダメモトくらいのつもりでチャレンジしてみるというのが、本製品との正しい向き合い方と言ってよいかもしれない。
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