米フォーブス選「世界を変える30歳未満」、食の未来を切り開く起業家たち
フォーブスは12月初旬、毎年恒例の「30 UNDER 30」リストの2025年版を発表した。今年で14回目となるこのリストは、ビジネスやカルチャー、起業を通じて意義ある変革を生み出している北米の20の分野の30歳未満のリーダーたちを称えるものだ。 ここでは、本年度のリストの「フード&ドリンク部門」の受賞者を紹介する。この部門には、レストラン業界やパッケージ食品、アルコール、レシピ制作などの分野の新進気鋭のスーパースターが選ばれている。 2017年にミネソタ大学の学生寮で出会ったブライアン・ワディックとコール・シェーファーは、2人とも野球が大好きで、リトルリーグの試合中にヒマワリの種を食べて育った。彼らは、米国で定番のおやつであるヒマワリの種にシナモンチュロスやバックヤードBBQといった独特のフレーバーを加えることを思いついた。 2人は寮の部屋でヒマワリの種に独自のフレーバーをまぶして味つけをし、クラスメートに試食してもらうことから始めた。そして大学内で評判になったため、州の助成金とエンジェル投資家の支援で6万ドル(約940万円)を調達して、Smackin’を立ち上げた。2023年に200万ドル(約3億1000万円)だった同社の収益は、今年は大幅に増えて2000万ドル(約31億4000万円)に達する見通しだ。 Smackin’の製品は現在、ウォルマートなどの店頭で販売されている。シェーファーによれば、ブランドの急速な成長は70万人以上のZ世代のSNSのフォロワーに後押しされているという。 本年度のフード&ドリンク部門では、プレッツェル業界に新風を吹き込んだジーナ・ガルビン(26)も注目されている。2019年、ガルビンはフランスからの移民の母親と共にStellar Snacksを共同創業し、独創的なフレーバーの開発やパッケージデザインを手がけている。同社の製品は現在、全米で最も急成長しているプレッツェルブランドの1つとして、ホールフーズやクローガーなどの小売店で販売されている。さらに、サウスウエスト航空やアラスカ航空の機内でも提供されている。 Stellar Snacksは、投資家や州から調達した1億3700万ドル(約215億3000万円)を、今後の10年間でケンタッキー州ルイビルの工場に投資する計画だ。