米フォーブス選「世界を変える30歳未満」、食の未来を切り開く起業家たち
「Z世代のアイナ・ガーテン」と呼ばれるプライベートシェフ
レストラン業界では、2020年のコロナ禍の最中のニューヨークでBel-Friesを創業したアナリー・シュロスバーグ(25)が注目されている。彼女は、厳しいロックダウンが敷かれた中でも、スマート化された小規模レストランが成功すると見込んでいた。この店の厚切りの二度揚げしたベルギー風フライドポテトと16種類のソースは人気を博し、ロウアーイーストサイドに1号店を開設して以来、6店舗を追加で開店し、フードトラックも運営している。 Bel-Friesはオープン以来毎年売上を倍増させており、2024年には250万ドル(約3億9000万円)の売上を見込んでいる。 ■ノンアルコール分野の起業家も スピリッツ業界では、ノンアルコールのカクテルミキサーを販売するCraftmix の創業者ジェイク・タネンバウム(28)が注目されている。同社の製品は、ポケットサイズのパッケージに収められており、健康志向の消費者をターゲットにしている。タネンバウムは、2019年にロサンゼルスでバーテンダーをしていた時に、クレジットカードを限界まで使って自宅のキッチンでこの製品を開発し、その後のアマゾンでの販売開始から6カ月で月間1万ドル(約160万円)の売上を達成した。 Craftmixは今では、約240万ドル(約3億8000万円)の資金を調達しており、ウォルマートの店頭やアムトラックの車内、ジェットブルーのフライトなどで製品を販売している。今年の同社の売上高は、800万ドル(約12億6000万円)に達する見通しだ。 本年度のこのリストには、インスタグラムやTikTokで巨大なフォロワー数を持つインフルエンサーも選ばれた。その中の1人のメレディス・ヘイデン(28)は、ハンプトンズでプライベートシェフとして働く日々を見せる動画で人気を集め、TikTokでは約8000万件の「いいね」を獲得している。彼女のフードメディア事業Wishbone Kitchenは、料理本の出版やEtsyとのパートナーシップ、長編動画コンテンツの制作などに拡大し、「Z世代のアイナ・ガーテン(米国の著名な料理研究家)」などと呼ばれている。 今年の「30 UNDER 30」は、2024年12月31日時点で29歳以下で、過去に北米やヨーロッパ、アジアの同じリストに選ばれたことがない人物を対象としている。最終リストに選ばれたメンバーのうち、56%が非白人であることを自認し、47%が女性だった。
Chloe Sorvino