吉田鋼太郎&MEGUMI、映画「おいハンサム!!」夫婦対談!「我ながらいい作品」(吉田)「実は緻密に作り込まれているんです」(MEGUMI)
◆映画を通してあらためて感じた本作の魅力、そして源太郎が愛される魅力はどんなところにあると思いますか? MEGUMI:源太郎さんは会社の人からの信頼もあって、英語もフランス語もできる知的な一面も持ちながら、娘のこととなると腹巻きとステテコでアイアンを持って出かけてしまう。外の顔とお家の顔があまりにも違うのですが、そこが両立されているところが魅力だと思います。そのハートフルさ、キュートさみたいなところが本当にすてきです。 吉田:人間的で、自分にも人にもうそをつかない。隠し事がなく、正直な人。なかなか難しいじゃないですか、そういう人になるのは。ある意味、スーパーマンですよね。この作品はそんな源太郎や家族の“何げない日常の物語”という触れ込みですけど、何げなくないような気がします。娘たちの言動にはいちいち考えさせられるし、そんな娘に対するパパからの言葉も深い。ちりばめられているエピソードも人間らしいですよね。 MEGUMI:なかなかない独特なドラマですよね。映画になっても大きい心の振り幅はないんですけど、クスッと笑えて。そういうものが蓄積されて気がついたら最後泣いてる、みたいな。それを組み立てる監督の脚本がまた秀逸で。源太郎さんが娘たちに対して、そして世の中に対して言っていることは監督の叫び。監督が今の世の中に伝えたい言葉でもあるんです。 吉田:この作品を見た後は、生きているということが悪くない、まんざらじゃないなと思えてくる。いろんな苦しみや悩みがあったとしても、それはきっとみんなも同じだし、いつか解決できるかもしれない。1人でくよくよ悩んでいてもしょうがない。家族も友達も同僚も、いろんな人がいるじゃん、と気付かせてくれて元気が出るんです。そんな風に不思議な高揚感が生まれて、ちょっと体が軽くなったように感じる作品は、実はそんなにたくさんはないんじゃないかなと。我ながらいい作品だと思いますね。 MEGUMI:その一方で、“くだらないな、このシーン”みたいなところもあって。“やってます”みたいに大げさにせずに深いところに響く作品って、なかなか作れないと思うんです。私たちも監督からよく「淡々と言う」ことをディレクションされていましたよね。 吉田:だからせりふ変更も、ちょっと確信犯的なところがあると思うんだよね。 MEGUMI:完成されすぎるのが嫌なんでしょうね。 吉田:そうそう、絶対そう(笑)。山口監督はいい意味でうまい芝居とか求めていないから。 MEGUMI:そうかもしれませんね。だって鋼太郎さんも私も、本当は結構アドリブを入れたいタイプじゃないですか(笑)。でも、この作品では封印していますから。ちょっとでもやったら「いらないです」と言われてしまうので。 吉田:封印、封印。もうやろうともしないもんね。 MEGUMI:実はそれくらい緻密に作り込まれているというのが、この作品のまた深いところだと思います。 <プロフィール> 吉田鋼太郎 ●よしだ・こうたろう…1959年1月14日生まれ。東京都出身。出演作に『おっさんずラブ』シリーズの他、最近では「劇場版 君と世界が終わる日に FINAL」などがある。7/13(土)よりスタートするドラマ『GO HOME~警視庁身元不明人相談室~』(日本テレビ系)にも出演する。 MEGUMI ●めぐみ…1981年9月25日生まれ。岡山県出身。最近の出演作に、ドラマ『東京タワー』『あなたがしてくれなくても』、映画「愛にイナズマ」などがある。『上田と女が吠える夜』(日本テレビ系)などバラエティでも活躍。著書「キレイはこれでつくれます」「心に効く美容」が発売中。
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