吉田鋼太郎&MEGUMI、映画「おいハンサム!!」夫婦対談!「我ながらいい作品」(吉田)「実は緻密に作り込まれているんです」(MEGUMI)
◆三姉妹のそれぞれの恋模様も気になるところですが、そこはどうご覧になられていますか? 吉田:みんな危険なゾーンに入って、後戻りできないんじゃないかというところまで行っていて。親としてはもうなんとも言えないですよね。 MEGUMI:言うような年ごろでもないですしね。美香は一応特定の相手がいて愛されてもいるようなので、まだ大丈夫そうですけど。由香と里香がちょっとね…(笑)。 吉田:2人はね…。でも、本当に悪い男と付き合って、立ち直れないくらい傷ついて、もう人生どうしていいか分からない、というところまではまだ行っていないんですよ。もうちょっとでそうなりそうなところにはいるんですけど(笑)。 MEGUMI:それを分かっていながら言えないんですよね。大きい子を持つ親の気持ちってこういうものなんだろうなと分かりました。 ◆三姉妹がギリギリのところで踏みとどまれている理由は何だと思いますか? MEGUMI:それはやっぱり、お父さんの存在じゃないでしょうか。 吉田:きっとね。パパが折に触れて、ちゃんと説教していますから。それが頭や心のどこかにきっとあるんじゃないかな。 MEGUMI:みんな生活する力があるのも安心材料ではありますよね。そこまで変なことにはならないんじゃないかっていう。 吉田:「こんな娘に育てた覚えはない」なんてよく言いますけど、きっと我が家の娘たちは3人ともそういうふうには育っていない。ちゃんと育っているんです。だから、どこかでは信頼しているんだと思います。 ◆ “ハンサム”の血筋がしっかり受け継がれているんでしょうね。 吉田:ああ、そうかもしれない。 MEGUMI:きっとそうですね。娘たちの軸にはしっかり“ハンサム”があるんだと思います。 ◆食事のシーンも見どころの1つですよね。 MEGUMI:私たち夫婦が京都から帰ってきたら、娘がサンドイッチを作って待っていてくれるというシーンがあるんです。でも、そのサンドイッチが監督のイメージとちょっと違ったみたいで。1時間ぐらい待ちましたかね? 吉田:待ったね。 MEGUMI:そんな“サンドイッチ待ち”があったり、あとはそれぞれ食べている具材の種類が違ったり、卵の状態が違ったりとか。とにかく監督のご飯へのこだわりがすごいことになっていたので、末端までチェックしていただきたいです(笑)。 吉田:僕はカレーを食べるシーンで、“食べるところ”じゃなくて“よそうところ”を何度も…よそい方、かける分量、かける場所が違うって、10テイクぐらいやらされたんですよ!(笑) MEGUMI:ハハハ! 急に来るんですよね、そういうのが(笑)。 吉田:よそうのは難しくないからすぐできるだろうと高をくくっていた僕もうかつでした。その時に娘たちが「カレー! カレー!」と言って食べるんです。見ていてすごくおいしそうでしたし、やっぱりああやってむさぼり食うものだよなとあらためて思いました。 ◆先ほどからお話をお聞きしていると、監督の“こだわり”に応えるのはかなり大変だったんですね。 吉田:でも、みんなそれができてしまう。だからお互いに褒めたたえずにはいられないんです。本来であれば1週間くらい前からでないと覚えられないようなとんでもない長ぜりふも、求められればすぐ覚えるわけですから。すごい奇跡が目の前で起きているなっていう。 MEGUMI:一番大変なのは、お父さんですから。それでもいつも完璧なので、本当に感動します。褒め合うというか、支え合って何とかやってきましたよね。 吉田:劇中で、千鶴の一番好きな人が源太郎ではなかったという驚がくの事実が判明するんです。じゃあ誰なんだというものすごくいいシーンも、直前で変わったもんね。 MEGUMI:全部変わりました。 吉田:MEGUMIさんが長ぜりふを10~15分ぐらいで覚えて、ほぼほぼNGなしでやってのけたんです。あれは素晴らしかったです。お母さんの一番の見せ場ですよ? それを撮影当日に変えるなんて、まずありえないですよ(笑)。 MEGUMI:ありえないです、本当に(笑)。 吉田:僕らはもうそれに慣れているので、現場ではありえないとか言いませんけど。でもそれを当たり前のようにやってのけるって、本当にすごいことなんですよ。 MEGUMI:ありがとうございます。でも、お父さんはそれが毎回ですから。そうじゃなかったことが一度もないんです(笑)。 吉田:最後は必ず僕が説教をして締めないといけない。そこは必ず変わります(笑)。 MEGUMI:映画でも、最後のそのシーンが変わりましたよね。 吉田:そうだね、スケールが変わりました(笑)。