マリナーズの今オフ〝0ドル補強〟を米名物記者が酷評「誰が何と言おうと、ケチの極み」
逃がした魚は大きいということか――。ドジャースがギャビン・ラックス内野手(27)をレッズにトレードしたと6日(日本時間7日)に米メディアが報じたが、米スポーツ専門局「ESPN」のジェフ・パッサン記者が「最高のチャンスを1つ逃した」とマリナーズを非難している。 【写真】マリナーズが逃したラックス内野手 ラックスは主に二塁手として昨季139試合に出場し、打率2割5分1厘、10本塁打、50打点で4年ぶりのワールドシリーズ制覇に貢献。毎試合のように大谷翔平投手(30)からアドバイスを受けて前半戦の不振から立ち直り、後半戦は打率3割4厘、7本塁打、26打点と結果を残した。 そんなラックスの獲得を狙っていたはずのマリナーズだが、レッズとの競争に敗れたことで、パッサン記者は「誰が何と言おうと、ケチの極み。資金管理の見事な失敗、あるいは簡単に言えば、ケチなオーナーなど、マリナーズは野球界で最高のチャンスを無残に逃している」とバッサリ。 さらに「マリナーズには29球団がうらやむほど歴史的に優れた投手陣を擁し、年俸総額が贅沢税の支払いを免れる基準額を8000万ドルも下回っているにもかかわらず、この冬は1ドルたりとも使っていない」とマリナーズフロント陣を批判した。 米メディア「クラッチポイント」もパッサン記者の意見に賛同。「彼の言う通りだ。シアトルは2024年のメジャー全体でチーム防御率は2位、先発陣の防御率では1位だった。先発ローテ―ションを務めた5人全員の防御率が3・65以下で、ローガン・ギルバートのWHIP(0・887)はメジャー1位だった。また、彼は208回2/3を投げ220人の打者から三振を奪ったが、これはメジャー最多だった」と指摘。 しかし、同メディアは「マリナーズは85勝しか挙げられず、ポストシーズン進出を逃した。それはチームが打てなかったからだ。マリナーズがオフに攻撃力の強化に務めることは理にかなった動きだったはず。打者があと1人か2人増えるだけで、ア・リーグ西地区の首位に躍り出る可能性があるのに」と伝えている。 実際、パッサン記者は「シアトルはあと2人打者がいれば、本当に危険なチームになれる。価格も年俸も下がっている。アレックス・ブレグマンなら完璧だ。ピート・アロンゾなら打線の中軸にパワーをもたらす。これは難しいことではないはずだ」と報じた。その上で「シアトルではそうはいかない。マリナーズは冬のほとんどを、先発投手の1人であるルイス・カスティーヨをトレードで手放すことで何が得られるか検討することに費やしていた」とあきれている。 同メディアも「マリナーズはカスティーヨに大物の打者を差し出すチームを待つ必要はない。FA市場には中堅の強打者はいくらでもいるのに、今オフに費やしたのは0ドル」とし、パッサン記者は「シアトルの状況は切迫しているが、オーナーグループは機敏に動く気配はまったくなく、自分たちに有利に働く市場原理を利用しようともしていない」とマリナーズの現況について糾弾した。
東スポWEB