イーロン・マスク氏、カンヌで広告業界との関係修復図る
マスク氏と広告業界との険悪な関係は、Xの買収を巡る混乱を受け、WPPを含む複数の広告代理店がクライアントにXへの広告掲載の一時停止や中止を検討するよう提言した直後から始まった。
Xは11月、Xから広告主を「悪意を持って」追い出そうとしているとして、米メディア監視団体メディア・マターズ・フォー・アメリカを提訴した。同団体は、アップル、IBM、オラクルの広告が親ナチス的なコンテンツの隣に掲載されていると報じた。
Xは現在、売上高や利益を公表していないが、ブルームバーグは以前、マスク氏の発言以前の2023年の総広告収入は約25億ドル(現行レートで約3950億円)にとどまるペースだと報じていた。同氏による買収前の丸々1年である21年からはおよそ45%の落ち込みを反映することになる。
マスクとXのリンダ・ヤッカリーノCEOは、理論上、X内でマーケティング担当者により質の高い広告の場を提供するという新たな動画パートナーシップを通じ、Xの広告事業の強化を図っている。
ただ、マスク氏は同社のビジネスを広告事業以外に多角化させようともしている。最も顕著なのは、買収完了直後に刷新したサブスクリプション・サービスの販売を開始したり、Xを決済サービスを備えた「何でもできるアプリ」にする計画を発表したりしたことだ。
原題;Musk Seeks to Mend Fences With Advertisers at Cannes Festival(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Benoit Berthelot, Kurt Wagner