【有馬記念】ドウデュース完璧追い馬なりラスト11秒6で併入 武豊騎手「勝って終わらせたい」
有馬記念の追い切りが18日、栗東トレーニングセンター(滋賀県栗東市)で行われた。昨年の覇者で引退レースとなるドウデュース(栗東・友道康夫厩舎、牡5歳)は、ニューポリトラック(DP)コースで併せ馬。活気あふれる走りで余力たっぷりに併入し、調教評価は最高の『S』。見届けた武豊騎手(55)=栗東・フリー=も秋の古馬3冠制覇に向けて意欲十分。有終の美を飾る態勢は整った。 【写真】引き揚げてきたドウデュースを迎える武豊騎手と友道調教師 壮大な物語のフィナーレに向けて、パーフェクトな仕上がりだ。ドウデュースが栗東DPコースで圧巻の動きを披露。追い切り後に出迎えた武豊騎手が、納得の表情を浮かべる。 「担当の前川さんは『完璧ですよ』と言っていました。いい雰囲気ですね。僕自身も去年より明らかに調子がいいし、最後はいい形で終わりたいですね」 道中はバズアップビート(未勝利)の2馬身後方でビタッと折り合って運ぶ。直線では楽な手応えで内から並びかけると、馬なりのまま俊敏に伸びてラスト1ハロン11秒6(6ハロン82秒5)で併入した。1週前追いにCW(ウッドチップ)コースで武豊騎手が騎乗して、最終追いをDPコースで仕上げるのは天皇賞・秋、ジャパンCと同じ〝必勝方程式〟。秋3走目でも抜群の素軽さを見せて、調教評価は文句なしの『S』だ。友道調教師は「単走で行くと時計が出やすいので、前に馬を置いて無理させないように。余力十分で良かったと思います」と満点ジャッジだ。 ドウデュースと名手が歩んできた道のりは決して順風満帆ではなかった。3歳時にはダービーで世代の頂点に立ち、秋にフランスの凱旋門賞に挑戦したが、道悪に泣いて19着と大敗。昨年はドバイターフで無念の出走取り消しとなり、鞍上は天皇賞・秋当日の5Rで騎乗馬に右太ももを蹴られて負傷。乗り替わりで続くジャパンCも騎乗できなかった。「すごくうれしいこともありましたが、悔しいことも何度もあって。でも、そのたびにまた勝ってくれて。すごい馬だなと感じますし、勇気をもらえることが多かった」と振り返る。 今年7月には年内での引退が発表された。「ラストシーズンにかける強い思いがありました」という言葉通り、天皇賞・秋、ジャパンCと鮮やかな末脚を武器に連勝。有馬記念は連覇と同時に、2000年テイエムオペラオー、04年ゼンノロブロイ以来、史上3頭目となる秋古馬3冠制覇が懸かる。「自分の中心にいた馬なので最後と思うと寂しさもあるが、それだけに最後、勝って終わりたい」と力を込める。