【セントライト記念】“馬体増”が強いレースを「20kg減」で制したトーセンシャナオー 「記録」で振り返る
「黄金配合」も注目を浴びたフェイトフルウォー
セントライト記念の勝ち馬を誕生月別に並べると、4月生まれの14頭が断トツ。以下3月生まれが7頭、5月生まれが6頭、2月生まれが5頭と続く。 唯一の9月生まれの勝ち馬が、ニュージーランド生まれのロックドゥカンブ。セントライト記念勝利後も菊花賞3着、有馬記念でも4着と活躍した。 セントライト記念の勝ち馬を誕生日の早い順に並べると、1位が1月11日生まれのフェイトフルウォー、2位が1月27日生まれのジェネラーレウーノ、3位が1月28日生まれのリオンリオンとなる。 フェイトフルウォーは2歳時から東スポ杯2歳Sで3着、ホープフルSで3着など世代上位の活躍を見せた。年明けの京成杯で重賞初勝利を飾るとクラシックへ向かったが、皐月賞12着、ダービー13着と惨敗。休み明けで巻き返しを期したセントライト記念で勝利を挙げた。菊花賞は4番人気7着と敗れたものの、クラシックで初の1桁着順と成長を感じられる走りであった。 このフェイトフルウォーが注目を集めたのは、走りだけではない。父ステイゴールド、母父メジロマックイーンという血統にもある。 同期の三冠馬オルフェーヴル、そして年下の二冠馬ゴールドシップが同じ「父ステイゴールド×母父メジロマックイーン」という組み合わせで活躍。「黄金配合」として一躍話題になった。フェイトフルウォーもまた、黄金配合の相性の良さを広めた1頭だったといえるだろう。 フェイトフルウォーの鞍上は柴田善臣騎手で、1996年ローゼンカバリー以来となるセントライト記念勝利となった。 ちなみに、セントライト記念2勝は横山典弘騎手、柴田政人騎手、田中勝春騎手、田辺裕信騎手と並んで3位タイ。勝利数では1位が蛯名正義騎手の5勝、2位が北村宏司騎手の4勝となっている。 フェイトフルウォーはセントライト記念の勝利が最後の勝ち星だったが、同父の姪っ子リープフラウミルヒが2020年の福島牝馬Sで13番人気2着に食い込むなど、一族で活躍を続けている。 夏をゆったりと成長に充て、馬体重を増やしてきた馬か。それともここに照準をあわせて仕上げてきた馬か─。今年はセントライト記念からどんな活躍馬が出るのか、楽しみだ。 ライタープロフィール 緒方きしん 競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。
緒方きしん