うちの母は「定期預金」を利用しつづけています。「投資」のほうが、利率が高い気がするのですが、預金のメリットはあるのでしょうか?
NISAやiDeCoなどの普及により、以前に比べ、投資に対して関心を持つ人も増えているのではないでしょうか。とはいえ、やはり一部では「投資は怖いもの」と思われていて、預貯金や貯蓄性の保険を選ぶ人もいるでしょう。 今回は、投資と比較した場合に、定期預金などの預貯金にメリットがあるのか、考えてみました。 ▼子ども名義の口座に「月3万円」ずつ入金してるけど、将来口座を渡すときに「贈与税」はかかるの? 非課税にすることは可能?
投資を促す制度が設けられている
政府は「貯蓄から投資へ」と、資産形成における運用方法を、貯蓄から投資へシフトさせていっています。特に、幅広い層に長期的に投資を行ってもらえるように、少額投資非課税制度(以下NISA)や確定拠出年金など、投資を行ううえでの優遇税制を設けています。 NISAは、年間一定額まで投資した運用益が非課税となり、一人が投資できる額の上限が1800万円となる制度です。 一方、確定拠出年金には「企業型」と「個人型」があり、個人型確定拠出年金はiDeCo(イデコ)と呼ばれています。投資額が所得控除の対象となり、受け取るときに退職所得控除や公的年金等雑所得の対象となるなど、優遇が受けられる制度です。
投資に対する「リスク」
政府が投資を幅広く行ってもらいたいとしても、やはり「投資はリスクがあるから怖い」と感じる人も、少なからずいるのではないでしょうか。 投資は利回りが高くなる可能性はありますが、利回りが確定されているわけではなく、不確実なものです。この不確実性のことを、投資では「リスク」といいます。 「リスク」は、想定されている利回りに対して、短期間で見る利回りが不確実に変動することを意味します。投資では「○○%の想定利回りが期待できるものの、一方で○○%のリスクもある」という想定がなされます。 仮に想定利回り3%・リスク10%であれば、長い目で見たとき年利3%で増えていく可能性はありますが、時には13%ほど増える年も、反面、-7%と減ってしまう年もあります。 一方、「定期預金」は預貯金の一種であり、一定期間の預け入れに対して利率が確定されています。種類は「1年定期」や「3年定期」などがあり、例えば1年定期は「1年間預けると○○%の利率を約束するもの」になります。 定期預金は、預け入れた元本を下回ることはありませんが、経済情勢などによって、金利が変化していくリスクがあります。投資と比べると、リスクが低い商品といえるでしょう。