【毎日書評】人間関係は聞き方で変わる。7つの「アクティブリスニング」テクニック
アクティブリスニングとは
ラポール(相互の信頼関係)の構築を望むなら、相手に関心を持っていることを明確に示す必要があります。そこで著者がおすすめするのが「アクティブリスニング」。 アクティブリスニングとは、相手が話す言葉を単に聞くだけでなく、相手の話す言葉の背後にある意味と意図を積極的に理解することです。そのためには、コミュニケーションのプロセスに注意を払い、より集中して傾聴する必要があります。(47ページより) 会話の相手と前向きに関わり続けるためのコミュニケーションにおいて、アクティブリスニングには重要な意味があるそう。 また、相手に自分の意見を聞いてもらえ、大切にされていると感じさせることもできるといいます。このスキルは、職場、家族、社交の場など、あらゆるシチュエーションで会話を成功させるための基盤であり、7種のテクニックがあるのだとか。(46ページより)
7つのアクティブリスニング・テクニック
1:話し手に全神経を集中する アクティブリスニングでは、話し手に全神経を集中し、参加する必要があるそう。「話し手に集中する」とは、すべての感覚(資格、聴覚など)を使って耳を傾けることを意味するわけです。 2:ノンバーバルな合図に注意を払う 著者によれば、人とのコミュニケーションの65%がノンバーバル(非言語)だといわれているようです。それらの“非言語的な合図”に注意を払えば、その人や、その人が伝えようとしていることについて多くを知ることができるというのです。 なぜなら、相手のボディランゲージや態度には、“その会話がうまくいっているかどうか”が現れるものだから。たとえば、相手が後ろにもたれていたり、胸の前で腕を組んでいたり、唇をきつく結んでいたりしたら、会話がうまくいっていない可能性が高いようです。(48ページより) 3:アイコンタクトを心がける アクティブリスニングを行う際には、アイコンタクトをとることがとくに重要。自分がその場にいて、話を聞いていることを相手に伝えることができるからです。また、周囲に気をとられていないことをも示しているそうです。 4:オープンクエスチョンを送る 多くの場合、「はい」と「いいえ」でしか答えない“クローズドクエスチョン”をすると、行き止まりの答えが返ってきてしまいがち。しかしそれでは、アクティブリスニング中に会話の流れを妨げることになってしまいます。 そこでオープンクエスチョンをして、会話と相手に興味を持っていることを示すべき。アクティブリスニング時に使用できるオープンクエスチョンには、以下のようなものがあるそうです。 その点について、もう少し詳しく教えていただけますか? それについてどう思いましたか? 今後、どのような道が最善だと思いますか? どのような違った対応ができたと思いますか? (51ページより) オープンクエスチョンの鍵は、相手に対する好奇心の枠組みを持つこと。 5:聞いたことを反映させる 相手が話し終えたら、聞いたことを伝えるのも大切。その方法のひとつが、いい換えること。たとえば、相手が過激なことを話していたとしても、「とても大変な状況でフラストレーションがたまってしまいますね」といい換えられるわけです。 6:応答するのではなく、理解するために聞く 相手に気持ちよく話してもらうために、忍耐力は重要なアクティブリスニングテクニック。相手に対し、考えていることをことばにする時間を与えることもできます。 7:判断と助言を差し控える 中立的で偏見のない回答をすれば、相手は自分の考えを安心して共有することが可能。そうすることで、恥をかかされたり、批判されたり、否定的に受け取られたりすることがないという気持ちを得られるのです。(49ページより) コミュニケーションを円滑にするための思考法を、専門的な立場から、わかりやすく解説した一冊。人間関係への不安や悩みを抱える方は、手にとってみてはいかがでしょうか? >>Kindle unlimited、2万冊以上が楽しめる読み放題を体験! Source: PHP研究所
印南敦史