ダービーで明暗を分けたセットプレー…アーセナルは昨季から数えてリーグトップの数字を記録
プレミアリーグ第4節が15日に行われ、アーセナルはトッテナムを1-0で下した。 キャプテンを務めるノルウェー代表MFマルティン・ウーデゴーアが負傷しただけでなく、イングランド代表MFデクラン・ライスも出場停止と、開幕から全試合に出場してきた主軸の2人を欠いたなかで、アーセナルは“宿敵”とのノースロンドン・ダービーに臨んだ。前記の2名だけでなく、今夏の新戦力であるイタリア代表DFリッカルド・カラフィオーリとスペイン代表MFミケル・メリーノ、さらに日本代表DF冨安健洋とウクライナ代表DFオレクサンドル・ジンチェンコまでも欠場し、ミケル・アルテタ監督は中盤の形を変更。イタリア代表MFジョルジーニョとガーナ代表MFトーマス・パルティが中盤の底でコンビを組み、2列目にベルギー代表FWレアンドロ・トロサールが入る4-2-1-3の形で試合に入った。 【ハイライト動画】アーセナルがノースロンドン・ダービーを制す 序盤から『トッテナム・ホットスパー・スタジアム』の大声援に背中を押され、トッテナムがボールを握る時間が続いたものの、アーセナルは守備陣が粘り強さを見せて0に抑えると、後半に入った64分にセットプレーで均衡を破る。イングランド代表FWブカヨ・サカの蹴った右コーナーキックから、ブラジル代表DFガブリエウ・マガリャンイスがヘディングシュートでネットを揺らした。 最終的にはこのゴールが決勝弾となり、アーセナルはノースロンドン・ダービーに勝利。首位を走るマンチェスター・シティとの勝ち点差を「2」に縮め、22日に控えた直接対決へ弾みをつけた。 この試合、勝負を決したのはセットプレーからの一発だった。データサイト『Squawka』は、昨季から継続してアーセナルがセットプレーにおいてプレミアリーグ屈指の力を誇っているデータを紹介。『Squawka』によると、昨季のプレミアリーグ開幕時点から今季の第4節終了時点までで、アーセナルがセットプレーから決めた得点数は「23」。これはプレミアリーグに身を置くクラブのなかで最も多い数字だという。なお、PKによる得点は含まれていない。 この背景には、アーセナルでセットプレーコーチを務めるニコラス・ジョヴァー氏の存在がある。かつてモンペリエのビデオアナリストやブレントフォードのコーチを務めた42歳のフランス人コーチは、マンチェスター・シティ時代に仕事を共にしたミケル・アルテタ監督の誘いを受けて、2021年夏にアーセナルへ加入。すると、ジョバー氏の着任初年度からアーセナルのセットプレーは大幅に改善され、得点数はその前のシーズンの「6」から「16」まで増加直近では大きな武器として、国内外で大きな注目を集めている。 そんなアーセナルのセットプレーは、サカ、ライスらのキック精度の高さはもちろんのこと、元イングランド代表DFベン・ホワイトが相手GKの動きを制限したり、複数の選手がオフサイドポジションに構えたりするなど、多種多様な工夫が凝らされているのが特徴だ。 ちなみに、今年4月に行われた昨季のノースロンドン・ダービーでも、勝敗を分けたのはセットプレーだった。アーセナルが前半だけで3点をリードした後、トッテナムが後半に怒涛の追い上げを見せて2点を返した試合だったが、アーセナルが挙げた3ゴールのうち、2つがコーナーキックから生まれたもの。アーセナルとしては、2試合連続でライバルを相手に“セットプレーの強さ”を見せつける結果となった。
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