40歳になるハミルトンの調子を「心配していない」とフェラーリF1代表。ルクレールとの関係も懸念なし
スクーデリア・フェラーリを率いるフレデリック・バスール代表は、今週初めにマラネロで行われた恒例のメディア向けクリスマスディナーで、メルセデスから移籍してくるルイス・ハミルトンがスクーデリアでふたたび勝利の道に戻ることができると全幅の信頼を寄せていることを示した。 【写真】長年所属したメルセデスF1を離れ、“憧れ”だったフェラーリに移籍するルイス・ハミルトン このチーム代表はまた、ベテランドライバーが「少なくとも20年間にわたって」フェラーリへの移籍を夢見ていたと明かし、「シャルル(・ルクレール)とルイスの間には大きな尊敬の念がある」ので、この新しいパートナーシップになんら問題はないと期待しているという。 バスールは、次のように認めて話を始めた。「ルイス(・ハミルトン)にフェラーリという選択肢が彼の将来にとって妥当であることを納得させることは難しくなかった」 「我々は2023年にメルセデスよりも多くのレースに勝っているので、フェラーリで優れたプロジェクトを見つけられると彼を納得させるのは、困難ではなかったんだ」 「彼は少なくとも20年間、フェラーリで走ることを考えていた。2004年にすでにその話をしていたのを覚えている」と、同氏はハミルトンがヨーロッパF3選手権にエントリーした当時のことを明かした。「しかし、時に問題となるのは、偶然や星のめぐり合わせであることもある。たまたま彼がマーケットにいて、フェラーリには彼にオファーできるポジションがあった。我々は1年前に話し合いを始めた」 浮き沈みが見られた今季2024年のハミルトンの調子については、内外で多くのことが語られてきた。彼は素晴らしい才能を発揮することもあれば、7冠王者らしからぬひどいパフォーマンスを見せることもあったためだ。バスールはそれを見ていたが、その背後にある根本的な理由を自身が理解していると考えている。 「ルイスやメルセデスを責めるつもりはないが、彼らが置かれた状況は対処が容易ではなかったと私は確信している。彼は完璧な精神状態ではなかったと思うし、ブラジル(サンパウロGP)ではそれが顕著だった。しかし最後の2レースでは、彼は非常によいパフォーマンスを発揮したので、私はまったく心配していない」 2025年のドライバー同士の関係について、「彼らは相互に大きな尊敬の念を抱いている」と明言したバスール。「彼らはお互いをよく知っており、何カ月も話し合ってきた。また、(ふたりのドライバーが)1位と2位、あるいは19位と20位を争うほうが(競争力に大きな差が見られるより)はるかに良いことだとも付け加えておきたい」 「つまり、チームがこのような議論をすることは良い兆候だということだ」 繰り返しになるが、バスールは将来のドライバーであるハミルトンのパフォーマンスに確信を持っており、彼の使命について、「簡単ではないだろうが、ルイスはルーキーではないし豊富な経験を持っているので、私はまったく心配していない」と自身の考えを再度主張した。 そして最後に次のように締めくくっている。「(シーズン開幕前に行われる)バーレーンでのテストでは、彼は多くのことを吸収しなければならないだろうが、シミュレーターで作業できるという利点がある。そこで彼はレースと予選の両方のシミュレーションを試し、ステアリングホイール操作のマネジメントに充分に備えることができるだろう。これが我々を待ち受ける最大の課題だとは思わない」 [オートスポーツweb 2024年12月22日]