「誰が悪かったかをハッキリさせねばならない」なぜ森保ジャパンは枠内シュート「0」の豪州にホームで勝てなかったのか?
豪州は引き分けでOKの戦い方で日本に臨んできた。 初戦でバーレーンに敗れ、第2節でインドネシアと引き分けた直後にグラハム・アーノルド監督(61)を解任。現役時代にJリーグのサンフレッチェ広島で、森保一監督(56)とともにプレーした経験をもつトニー・ポポヴィッチ監督(51)は、システムを日本と同じ[3-4-2-1]に変えて第3節の中国戦で初勝利をあげた。 しかし、同じ3バックでも、左右のウイングバックにアタッカーを配置する日本に対して、豪州はディフェンダー登録の選手を起用。高さと強さを兼ね備えた実質的な5バックで自軍のゴール前のスペースを消し、クロスならば絶対にはね返せる、という自信のもとで、日本の攻撃を意図的に外へ、縦へと誘った。 術中にはまった日本は、ビルドアップでも違和感を抱き続けた。 コンディション不良で14日の公式練習を欠席した、キャプテンのMF遠藤航(31、リバプール)は豪州戦に間に合わなかった。代わりにアジア最終予選4試合目にして初先発した、ボランチの田中碧(26、リーズ・ユナイテッド)が言う。 「いまの3バックのシステムに慣れているわけではないので、守田(英正)くんにいろいろと聞きながらプレーしていた。ただ、前半は多少、重かった部分があるというか、自分がもう少し前へ入っていってもよかったと感じている」 日本ボールになると、豪州は1トップと2人のシャドーの計3人が最終ラインにプレッシャーをかけてくる。ここでボランチの守田英正(29、スポルティング)が意図的に最終ラインに降りて、数的優位を保ちながらビルドアップしていく。 過去3戦全敗だった敵地でサウジアラビアに2-0で快勝した10日(日本時間11日)の第3節でも、守田はマイボールになると一列下がって最終ラインからのビルドアップを助けている。豪州戦の前半でも守田が同じ動きをしたが、中央に陣取る田中が遠藤のようなプレーを演じられたのかといえば、疑問符をつけざるをえなかった。 結果として全体的に重心が下がり気味になった前半の反省から、守田は下がる位置を谷口と右センターバック板倉滉(27、ボルシアMG)の間から、谷口と左センターバック町田浩樹(27、ユニオン・サンジロワーズ)の間へスイッチ。さらに前方に田中をスライドさせて、左サイドでのビルドアップを活性化させた。 試行錯誤が繰り返された跡は、イコール、遠藤と守田が不動のダブルボランチを長く形成し、あうんの呼吸ができあがっている反動といっていい。遠藤に代わってキャプテンを務め、豪州戦のプレイヤー・オブ・ザ・マッチに選出された守田が言う。